WBC後遺症とは?WBC日本代表選手に不調が相次ぐ理由とは?

 

2017年はプロ野球の開幕前に第4回WBCが行われました。

結果はベスト4止まりと世界一奪還はなりませんでしたが、メジャーリーガーの参加が増えた中では十分な成績だったように感じます。

 

このWBC効果もあって、プロ野球の注目度もさらに上がった中で2017年シーズンが開幕しました。

 

ところが、パリーグで順位の逆転現象が見られるなどの異常が起こっています。

 

特にWBC日本代表選手の不振が目立ち、「WBC後遺症」などと言われています。

 

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WBC後遺症は本当?WBC日本代表で不振に陥る選手が続出

「WBC後遺症」という言葉が生まれ始めたのは、2017年シーズンが始まってからです。

 

WBCは2017年で4回目でしたが、その都度WBC日本代表選手の負担は不安視されていました。

 

過去には中日ドラゴンズの落合監督(当時)がシーズンへの影響を考え、選手の派遣を拒否したとも言われています。

この年は、岩瀬仁紀投手、井端弘和選手、荒木雅博選手、森野将彦選手らが日本代表候補でした。

 

当時は大きな批判の的でしたが、WBC後遺症を考えれば当然の主張とも言えます。

 

WBC後遺症の原因は大きく2つ考えられます。

 

1つは、WBCがあることでの調整の前倒しです。

WBC日本代表の選手は、日本代表に選出されれば当然そのWBCに向けて調整をします。

 

WBCの開催時期は開幕前の3月ですので、そこへベストコンディションに持っていくにはかなり早めの調整が必要です。

 

当然オフが削られますので、例年よりも休息が少なかったり、オフのトレーニング期間が少なくなったりします。

 

プロ野球は、離脱するほどではなくても大なり小なりの怪我は多くの選手が抱えています。

その怪我のケアをするのがオフ期間ですが、オフが短ければ当然ケアの時間も減ります。

 

2つ目のWBC後遺症の原因は、大会での心身の疲労です。

シーズン中よりも大きな期待が懸かるWBCですので、当然精神的な負担は増えます。

 

シーズン中の1敗とWBCでの1敗は重みが全然違います。

日本代表は第1次ラウンド・第2次ラウンドと6連勝で通過しましたが、それぞれ2勝1敗は必要なリーグでした。

 

第1次ラウンドの初戦・キューバ戦で負けていれば第1次ラウンド敗退の可能性もありました。

第2次ラウンドのオランダ戦では、タイブレークまでもつれる死闘でした。

 

このような試合の連続では、当然選手のストレスも大きいです。

 

こういったストレスのかかる大きな大会後には、燃え尽き症候群のような症状が出る危険性も高いです。

 

また、シーズン中と役割が異なる選手も多くいました。

山田哲人選手はDHで出場し、ファーストの準備もしていたと思います。

 

さらに、鈴木誠也選手・秋山翔吾選手はベンチスタートで代打や守備固めでの出場もありました。

内川聖一選手は代打として出場しましたので、普段とは違う役割です。

 

投手では則本昂大投手がリリーフに回り、武田翔太投手や藤浪晋太郎投手もブルペン待機がありました。

 

普段リリーフの投手も平野佳寿投手は早い回から登板が多く、増井浩俊投手・宮西尚生投手らも出番がいつか分からない中でのブルペン待機は大きな負担だったと思います。

 

このような大きな大会特有の負担に加え、普段と違う役割での負担、さらには準決勝アメリカ戦ではアメリカへの移動がありましたので時差への対応もありました。

 

これだけのWBCでの大きな負担があった上にすぐに開幕となれば、調整が難しいのは当然とも言えます。

 

WBC日本代表メンバー一覧はこちらから

 

第4回WBC日本代表の試合結果一覧はこちらから

 

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主な日本代表選手の2017年4月の成績一覧

こちらが、主なWBC日本代表選手の4月の成績です。

全員が全員WBC後遺症に悩まされている訳ではないですが、明らかに不振の選手が多いと言えます。

 

※成績は全て4月24日終了時点

 

WBC後遺症の影響を受けている選手

松田宣浩選手 打率.192 0本塁打 5打点 0盗塁

中田翔選手 打率.175 0本塁打 1打点 0盗塁

筒香嘉智選手 打率.243 0本塁打 6打点 0盗塁

山田哲人選手 打率.222 2本塁打 6打点 4盗塁(セリーグ2位)

小林誠司選手 打率.127 0本塁打 0打点 1盗塁

 

石川歩投手 0勝3敗 防御率7.62

岡田俊哉投手 0勝1敗 防御率6.75

 

深刻なのは、WBCで4番・5番の筒香嘉智選手、中田翔選手にまだホームランがありません。

ホームラン王争いをするであろう選手が開幕から1か月ホームランなしは、さすがに異常です。

 

山田哲人選手はスロースターターな面がありますので、WBC後遺症の深刻度はそこまで高くはないと思います。

 

小林誠司選手も元々打率が低いとはいえ、昨年の成績よりも1割ほど低い打率です。

何しろ、WBCでラッキーボーイとして大活躍した面影がありません。

 

WBCでは小林誠司選手に代打で内川聖一選手を送る場面で、「本当に代えていいのか?」という声が上がるほどの打棒でしたので、WBC後遺症に入るのではないかと思います。

 

投手では、WBCで開幕投手を務めた石川歩投手が、開幕から3連敗で防御率も7点台と厳しい状況で2軍落ちとなりました。

石川歩投手の「抑え方が分からなくなった」というコメントが、深刻度を物語っています。

 

リリーフで活躍した岡田俊哉投手も4試合で防御率6点台と不調で2軍落ちとなっています。

 

さらに、中田翔選手は右内転筋筋挫傷の怪我で一度登録抹消されています。

 

武田翔太投手は右肩の怪我で登録抹消となり、長期離脱の可能性が高そうです。

 

WBC後遺症の影響を受けていない選手

内川聖一選手 打率.348(パリーグ5位) 5本塁打(パリーグ3位) 19打点(パリーグトップ)

秋山翔吾選手 打率.324(パリーグ10位) 4本塁打(パリーグ7位) 9打点

坂本勇人選手 打率.356(セリーグ3位) 1本塁打 9打点 4盗塁(セリーグ2位)

田中広輔選手 打率.306(セリーグ9位) 0本塁打 7打点 4盗塁(セリーグ2位)

鈴木誠也選手 打率.306(セリーグ9位) 2本塁打 12打点 4盗塁(セリーグ2位)

 

菅野智之投手 2勝0敗 防御率2.49

秋吉亮投手 2勝0敗1ホールド2セーブ 防御率0.00

千賀滉大投手 2勝1敗 防御率3.60

松井裕樹投手 2勝0敗8セーブ 防御率0.00

 

野手では内川聖一選手が3冠王射程の好調です。

秋山翔吾選手は開幕直後に不調でしたが、4月中に盛り返しています。

奇しくも野手ではスタメンよりも控えだった選手がWBC後遺症を受けていない傾向があります。

 

WBCにスタメンで常時出場していて好調を維持しているのは、坂本勇人選手1人だけです。

 

特に重症のWBC後遺症は松田・筒香・中田・小林らWBCで活躍した選手達

非常に深刻なWBC後遺症と言えるのが、野手では松田宣浩選手・筒香嘉智選手・中田翔選手・小林誠司選手の成績が非常に低い状態です。

 

投手では、石川歩投手・岡田俊哉投手が2軍落ちです。

 

この選手たちは、奇しくもWBCで活躍した選手達です。

 

4番・5番で試合を決めてきた筒香嘉智選手と中田翔選手の貢献度は非常に高く、ラッキーボーイの小林誠司選手は影のMVPと言える大活躍でした。

 

元々侍ジャパンの穴とも考えられた捕手でしたが、小林誠司選手が見事に侍ジャパンの正捕手となり、2017年での大きな飛躍が期待されました。

 

また、ベテランの松田宣浩選手も特に序盤で打撃好調で、第1次ラウンド・第2次ラウンドの全勝に貢献しています。

 

先発投手で活躍した石川歩投手、リリーフで満塁のピンチを切り抜けるなど好投の岡田俊哉投手と、WBC後遺症で結果が出ていないのなら非常に申し訳ないような活躍を見せてくれた選手達です。

 

WBC後遺症をプロ野球選手会が調査へ乗り出す事態に

WBCで活躍しても年俸には関係なく、WBC後遺症で成績が下降したり怪我で長期離脱してしまって年俸が下がるなどの場合は、「だったらWBCなんかでなければよかった」と負う声が出てくる可能性もあります。

 

今後、WBC辞退が相次ぐ可能性も考えられます。

 

さらに、パリーグでは順位の逆転現象が起こるなど、チームごとにWBCへの派遣人数が異なる点もシーズンに大きな影響を与える可能性があります。

 

ただ、坂本勇人選手のように変わらず好調な選手もいれば、松井裕樹投手のようにWBCで一皮むけたような選手もいます。

 

思えば、田中将大投手もWBC後に大きく飛躍した選手の1人です。

 

「プロなら調整して結果を出せ」と言ってしまえばそれまでですが、開幕前にリスクを負って出場した選手、リスクを負って招集に応じた球団が損をするような状況は考え物です。

 

このWBC後遺症問題に対して、プロ野球選手会もWBC日本代表選手にヒアリングを行っています。

 

実は、WBC後に開幕を遅らせる提案をNPBが拒否した経緯があります。

 

そもそも、開幕前に行うWBCの開催時期はどうなのかという根本的な問題もあります。

 

これは他の国も絡む問題で難しいですが、日本のプロ野球の開幕を遅らせるなら日本の問題で済みます。

 

春休み期間の集客が見込める時期に多く試合をしたい意向もあると思いますし、プロ野球であればそれは当然考えるべき問題です。

 

ただ、WBC日本代表で活躍した選手を見たいと思ってきたファンが、WBC後遺症に悩む選手を見るのはどうなのかとも言えます。

 

さらに、ペナントレースが不公平になるようならば、WBC日本代表を各チーム均等に選出するなどの措置が必要です。

ただ、そうなれば当然最強チームではなくなります。

 

非常に難しい問題ですが、開幕時期を遅らせるなどの措置は検討して欲しいと思います。

 

出来れば根本的な問題として、WBCの開催時期変更が検討されるべきだと思います。

 

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