OPSとは?セイバーメトリクスで使う野球の新たな指標

 

プロ野球の記録で用いられる数字は多々あります。

野手の記録で特に注目されるのが、打率・ホームラン・打点の3つだと思います。

 

この3つのタイトルで三冠王と言いますので、最も打者の優劣を表すのに適した指標のように日本では思われていると思います。

 

しかし、アメリカではこの打率・ホームラン・打点とは違った指標があります。

 

これはセイバーメトリクスという野球を統計学的に分析したものです。

 

このセイバーメトリクスで使わる数字で、特に大きなものがOPSです。

そんなOPSについて解説していきます。

 

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OPSとは?OPSの意味

OPSとは、セイバーメトリクスで用いられる野手の評価基準の1つの数値です。

 

OPSをわかりやすくに言えば、「出塁率+長打率」です。

 

出塁率は文字通り出塁率する確率で、長打率は塁打÷打数で求められます。

長打率は、分かりやすく言えば長打を考慮した打率です。

 

安打をたくさん打つよりも2塁打・3塁打・ホームランもたくさん打って打率も高い選手の方が貢献度は高いです。

 

OPSの優れている点は、統計的に見て得点との相関関係が高い点です。

 

こちらがよく使われる指標と得点の相関関係です。

 

打率 0.849

出塁率 0.910

長打率 0.913

OPS 0.955

 

簡単に言えば、この数字が多い方がチームの得点に貢献しているということです。

 

打率が高いだけで出塁率が低い選手、長打は多いが出塁率が低い選手などよりも、それらをトータルした指標であるOPSが高い選手の方がチームの得点に貢献しているということです。

 

打率・ホームラン・打点だけで考えればそこまですごくない打者でも、OPSで見たら貢献度の高い選手はいます。

 

ただ、どちらかというと逆のパターンの方が多いと思います。

 

つまり、打率やホームラン・打点が多くてもOPSがあまり高くない選手は、チームに貢献しているようでそこまで貢献できていないということが、統計学的には言えるということです。

 

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OPSの計算方法とは?

では、そんなOPSの計算方法をご紹介します。

 

基本的には、先ほどあったように出塁率+長打率です。

 

OPS計算方法

出塁率+長打率

 

出塁率の計算方法

(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)

 

長打率の計算方法

塁打÷打数

 

つまり、OPSの計算方法を細かくするとこうなります。

 

(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)+(塁打÷打数)

 

プロ野球選手の場合は、色々なデータが公開されていますので簡単に求められます。

高校野球などアマチュアでは計算が大変ですが、それでもチームの得点に貢献している基準ですので、打順を決める際の重要な指標になります。

 

OPSが高い打者は何がすごい?OPSの高さの基準

OPSが高い打者の何がすごいかというと、チームの得点に貢献している点です。

 

野球の得点の仕方を「塁を4つ進めれば1点」と考えればわかりやすいです。

まずは塁に残るか残らないかの基準、つまり出塁するかどうかが1つ目の問題です。

 

出塁しなければ、得点の可能性はありません。

これが出塁率で表されます。

 

そしてどれだけ効率的に塁を進めるかが、長打率で分かります。

単打で1つずつ塁を進むか、あるいはホームランで一気に4つ進むかであれば、確実にホームランの方がいいです。

 

ただ、20回中1打席ホームランであとは凡退の打者と、20打席中5打席フォアボールであとは凡退の選手であれば、OPSは後者の方が高くなります。

 

つまり、よりチームの得点に貢献するのは後者ということが、統計学的に分かっています。

 

「いやー、それでもやっぱ1発があるバッターは怖いから入れておこう」というのが、長年の勘で組むスタメンで、「OPSが高いからこっちを入れておこう」というのが統計学に基づくスタメンです。

 

その試合でどうなるかは分かりませんが、年間で考えればOPSを主体で考えた方が勝つ確率は高いと言えます。

 

また、OPSの基準はこうなります。

 

OPS .9000以上 素晴らしい

OPS .8334~8.999 非常に良い

OPS .7667~.8333 良い

OPS .7000~.7666 並

OPS .6334~6.999 平均以下

OPS .5667~.6333 悪い

OPS .5666以下 非常に悪い

 

OPSのメリット・デメリット

ただ、OPSにはメリット・デメリットがあります。

 

OPSのメリットはチームの得点への貢献度を数値でわかるという点、そして計算が簡単な点です。

 

もっと複雑な計算で求める数値が、セイバーメトリクスにはありますが、OPSは簡単に求められる上に数値がしっかりしています。

 

ただ、OPSのデメリットとしては他のセイバーメトリクスの数値から考えると出塁率が過小評価されている点です。

 

最も細かく見るLinear Weightsと比べると、得点との相関関係は若干下がると言われています。

 

また、OPSだけでは打者の特徴が分かりません。

OPSは出塁率+長打率ですので、出塁率でOPSを稼ぐ選手と長打率でOPSを稼ぐ選手がいます。

ただ、これは長打率・出塁率も見れば済むのでそこまでデメリットとは言えないと思います。

 

個人的に一番問題だと思うが「走塁能力が考慮されていない」点だと思います。

 

鈍足ランナーの出塁率4割と、俊足ランナーの出塁率4割では得点の機会は変わるはずです。

そのような考慮がないので、OPSだけで打順を組んだら足の遅いバッターが上位に並ぶことになってしまいます。

 

例えば、2016年のセリーグOPSトップは、筒香嘉智選手で2位が山田哲人選手です。

OPSで言えば筒香嘉智選手の方が優秀ですが、走塁でいえば確実に山田哲人選手の方が優秀です。

 

セイバーメトリクスでは盗塁はあまり重視されませんが、30盗塁の山田哲人選手と0盗塁の筒香嘉智選手という大きな差がありますが、これがOPSではわかりません。

もちろん、盗塁数も見ればわかりますが、盗塁数では測れない走塁のうまさもありますので、これがOPSの一番の問題点だと思います。

 

ただ、それ以外は非常に分かりやすい数値ではないかと思います。

 

2016年のプロ野球OPSランキング

では、そんなOPSの高い選手が誰かをご紹介します。

 

2016年のセリーグOPSランキングと、パリーグOPSランキングをご紹介します。

 

2016年セリーグOPSランキングトップ20

1位 筒香嘉智選手 1.110

2位 山田哲人選手 1.032

3位 鈴木誠也選手 1.015

4位 坂本勇人選手  .988

5位 バレンティン選手 .885

6位 丸佳浩選手 .870

7位 村田修一選手 .858

8位 新井貴浩選手  .857

9位 福留孝介選手  .845

10位 梶谷隆幸選手  .838

11位 ビシエド選手  .838

12位 ロペス選手  .833

13位 ギャレット選手 .813

14位 菊池涼介選手 .790

15位 桑原将志選手 .769

16位 平田良介選手  .769

17位 ゴメス選手 .753

18位 田中広輔選手 .739

19位 大島洋平選手 .730

20位 長野久義選手 .729

 

上位4選手の筒香嘉智選手、山田哲人選手、鈴木誠也選手、坂本勇人選手が突出しているのが分かります。

OPS0.9000以上は素晴らしいOPSと言われていますので、この4選手はチームの得点に貢献が非常に高い優秀な野手と言えます。

 

WBC日本代表にも選出されていますので、当然と言えば当然です。

ただ、この4選手は従来の打率・ホームラン・打点でも高評価ですので、そこまでOPSで見て驚くものではありません。

 

OPSを見ると過小評価されていることがわかるのが、広島カープの丸佳浩選手です。

打率.291 20本塁打 90打点ですが、長打率.481出塁率.389とどちらも高い水準です。

 

OPSで現れない走塁や守備でも貢献度が高ければ、WBC日本代表に選出されていないのは誤りだったかもしれません。

 

WBC日本代表の平田良介選手と比べてもかなりOPSが高いことが分かります。

第4回WBC日本代表選手一覧はこちらから

 

2016年パリーグOPSランキングトップ20

1位 柳田悠岐選手 .969

2位 角中勝也選手 .877

3位 浅村栄斗選手 .867

4位 糸井嘉男選手 .849

5位 メヒア選手 .842

6位 デスパイネ選手 .841

7位 レアード選手 .835

8位 ウィーラー選手 .829

9位 T-岡田選手 .828

10位 秋山翔吾選手 .807

11位 西川遥輝選手 .802

12位 中村晃選手 .793

13位 松田宣浩選手 .792

14位 陽岱鋼選手 .790

15位 内川聖一選手 .781

16位 栗山巧選 .759

17位 鈴木大地選手 .745

18位 茂木栄五郎選手 .738

19位 中田翔選手 .738

20位 銀次選手 .702

 

パリーグでは柳田悠岐選手が出塁率も長打率も高く、OPSが非常に優秀です。

打撃3部門ではトリプルスリーを達成した前年を下回りましたが、それでもチームの得点への貢献度は抜群です。

 

浅村栄斗選手は、出塁率が.357と打率.309との差が少ないですが、これでOPS3位ということで出塁率アップで柳田悠岐選手越えも可能です。

 

気になるのが、OPS19位の中田翔選手です。

WBC日本代表でも主力でしたが、OPSでは同じ日本ハムの陽岱鋼選手よりも低いです。

 

OPSチーム4位ですので、パリーグ打点王ですがOPSで見ると貢献度はやや劣ると言えそうです。

 

2016年パリーグタイトル獲得選手一覧はこちらから

 

ちなみに、規定打席に到達していないので外れた大谷翔平選手は、1.004でパリーグトップの柳田悠岐選手を越えています。

セリーグを含めても筒香嘉智選手に続く2位ですので、いかに貢献度の高い選手と言えるかが分かります。

 

OPS1.000を超える選手を野手として外すわけにいかないですが、投手としても高い能力を持つ大谷翔平選手ですので、やはり二刀流ということになりそうです。

 

大谷翔平選手の怪我についてはこちらから

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