膝内側側副靭帯損傷とは?治療法・リハビリ方法などの解説

膝の痛み

 

スポーツ中などに多い膝内側側副靭帯損傷の怪我について解説させて頂きます。

膝内側側副靭帯損傷は軽症であれば数日で強行出場が可能な怪我ですが、重症であれば全治が2ヶ月ほどかかる大きな怪我と言えます。

 

また、膝内側側副靭帯損傷は膝の怪我の中でも非常に多い怪我です。

プロスポーツ選手から中学生・高校生などの育成年代アスリート、一般のスポーツ愛好家まで幅広い層で起こり得る怪我です。

そんな膝内側側副靭帯損傷の原因、治療法、リハビリ、テーピングでの処置などについて解説していきます。

 

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膝内側側副靭帯損傷とは?

スポーツ中の膝の痛み

膝内側側副靭帯損傷の怪我とは、文字通り膝の「内側側副靭帯」という靭帯を損傷する怪我です。

内側側副靭帯はたびたび「MCL」と訳されますが、一般的にはあまり認知されておらず専門用語と言えます。

膝内側側副靭帯は、膝の靭帯の1つです。

膝の主な靭帯は4つあり、前十字靭帯・後十字靭帯・内側側副靭帯・外側側副靭帯です。

この4つの膝の靭帯の中でも内側側副靭帯は最も痛めやすい靭帯と言えます。

「膝の靭帯を痛めた」という場合は、この内側側副靭帯損傷である確率が高いです。

ただ、他の靭帯の損傷に比べれば軽症であることが多いのも特徴です。

比較的軽症というだけで、膝の靭帯損傷の時点でそこそこ大きな怪我と言えます。

 

膝内側側副靭帯損傷の原因

膝の内側側副靭帯損傷は重傷であれば膝内側側副靭帯“断裂”となりますが、多くは内側側副靭帯“損傷”となります。

内側側副靭帯は肘にもあり、肘の内側側副靭帯を損傷した野球選手はあの有名なトミー・ジョン手術を受けることになります。

膝の方はかなり多く見られる怪我で、様々なスポーツで起こります。

 

膝内側側副靭帯損傷は、膝に外反ストレスと呼ばれるストレスが過剰にかかることで受傷します。

外反ストレスとは、簡単に言えば膝が内側に入ることです。

自分で動かして膝を内側に入れるだけでは、大したストレスではありませんので特に内側側副靭帯を痛めることはありません。

しかし、走っていって急ストップして切り返し、ジャンプ中に相手選手と接触してバランスを崩して着地などであれば大きな負荷になります。

この大きな負荷の繰り返しが、膝の内側側副靭帯損傷に繋がります。

また、間接的な原因としては股関節の柔軟性不足や筋力不足、足首の柔軟性不足、足首の他の怪我、逆足の膝や足首の怪我など様々な原因が隠れています。

1つのストレスだけで損傷することは少なく、複数の原因による度重なるストレスである日靭帯が耐え切れなくなり損傷してしまうということが多いです。

 

膝内側側副靭帯損傷の治療方法

腰痛治療

膝内側側副靭帯損傷の治療方法は、大きく受傷直後とその後で分けられます。

受傷直後にはRICE処置という応急処置が行われます。

RICE処置は応急処置方法の頭文字をとったもので、Rest(安静)Icing(アイシング)compression(圧迫)Elevation(挙上の)4つの処置のことです。

これは内側側副靭帯損傷に限らずあらゆる怪我で行われる処置です。

 

ある程度期間が経って炎症が収まってきたら、次の段階に入ります。

次の段階では重症度によって治療方法が変わります。

軽症であればすぐにリハビリを開始することもありますし、重症の場合は安静期間が長くなります。

安静の場合はサポーターや装具、テーピングなどで内側側副靭帯にストレスがかからないように固定します。

徐々に装具が外せて来たら、本格的なリハビリに入ります。

 

膝内側側副靭帯損傷の治療は整形外科もしくはスポーツ整形を受診

病院の医者の説明

膝内側側副靭帯損傷の治療で病院を受診する場合は、整形外科かスポーツ整形を受診します。

膝の内側側副靭帯をスポーツ以外の場面で損傷しても、スポーツ整形の受診で大丈夫です。

どのような怪我の仕方でも再発予防にはリハビリが必要になりますので、スポーツ整形の方が合っているかもしれません。

 

整形外科は病院にもよりますが、レントゲンを撮って湿布を出して終わりになる可能性もあります。

内側側副靭帯損傷の場合は、合併損傷で前十字靭帯損傷や半月板損傷も併発している可能性もあります。

レントゲン検査では基本的に靭帯の損傷は分かりません。

診断をより正確に行いたい場合は、靭帯の損傷が確認できるMRI検査が可能な病院を受診します。

 

膝内側側副靭帯損傷で手術となる場合

膝内側側副靭帯損傷で手術となるケースは稀です。

ただ、手術が全くないこともありません。

 

手術となる場合は、靭帯の損傷度合いがかなり強い場合か完全断裂している場合です。

どの程度の症状で手術となるかは、損傷度合いの他に医師の判断や復帰後の患者の目標にもよります。

スポーツ選手で競技レベルが高い場合は手術を勧めたり、あるいは早期復帰が必要んあために手術を回避したりする場合があります。

 

膝内側側副靭帯損傷の再建手術

怪我と手術

膝内側側副靭帯損傷の手術は再建手術となることがあります。

同じ膝の靭帯の前十字靭帯が断裂した場合は手術となる場合が多いですが、内側側副靭帯で手術は稀です。

多くは手術をしない保存療法を選択することになります。

内側側副靭帯損傷で手術となるのは、かなり重症だった場合のみです。

内側側副靭帯の再建手術は損傷した靭帯を新たに再建する手術で、全治までの期間は長くなります。

 

膝内側側副靭帯損傷の手術後の復帰期間

膝内側側副靭帯損傷の手術からの復帰には、半年以かかることもあります。

これはかなり大きな怪我と言えます。

内側側副靭帯損傷は膝の靭帯損傷の中では比較的軽い怪我ですが、手術となるともう重症度は前十字靭帯損傷と変わらなくなります。

 

ただ、内側側副靭帯損傷と前十字靭帯損傷は併発することも多くあります。

その場合はどちらの靭帯でどれくらい期間がかかっているのか区別が付きにくいですが、全治はさらに伸びます。

さらに半月板損傷も併発すると、全治が1年近くかかることもあります。

 

膝内側側副靭帯損傷の全治(治療期間)

膝内側側副靭帯損傷の怪我の治療期間、つまり膝内側側副靭帯損傷の全治は、怪我の程度によって異なります。

膝内側側副靭帯損傷の怪我は、その重症度別に大きく3つに分けられるケースが多いです。(分類の仕方は色々あります)

 

膝内側側副靭帯損傷3つの分類方法

各分類の説明も、専門書により異なります。

 

膝内側側副靭帯Ⅰ度損傷

膝の動揺性がない。膝内側側副靭帯の微細損傷。

 

膝内側側副靭帯Ⅱ度損傷

膝の動揺性がある。膝内側側副靭帯の損傷が見られるが断裂には至っていない。

 

膝内側側副靭帯Ⅲ度損傷

膝の動揺性がある。膝内側側副靭帯の完全断裂が見られる。

 

全治の目安としては、Ⅰ度損傷の場合は全治1週間程度と比較的早く復帰できます。

膝内側側副靭帯損傷のⅠ度損傷の場合は、3日後くらいにテーピングでしっかり固定して強行出場という場合も見られます。

 

膝内側側副靭帯損傷のⅡ度損傷の場合は、全治は5~6週間程度です。

この場合の強行出場は難しく、実戦復帰までは時間を要します。

 

膝の内側側副靭帯損傷で全治1か月程度の場合は、この内側側副靭帯のⅡ度損傷と考えられます。

スポーツで内側側副靭帯損傷の怪我を負ってしばらく離脱という場合は、Ⅱ度損傷である場合が多いです。

 

Ⅲ度損傷は全治3~4か月となり、手術の適応となることが多いです。(最近はⅢ度損傷でも手術をしないケースも多いようですが)

また、Ⅲ度損傷(膝内側側副靭帯の完全断裂)の場合は合併損傷として膝の前十字靭帯損傷や内側半月板損傷の怪我も同時に引き起こすケースがあります。

 

膝前十字靭帯損傷の怪我についてはこちらから

 

膝半月板損傷に関してはこちらから

 

この膝前十字靭帯損傷・膝内側側副靭帯損傷・内側半月板損傷を同時に起こす怪我をアンハッピートライアドと言い、かなり深刻な大怪我と言えます。

 

これらの靭帯損傷の全治はあくまで目安ですので、これより早く治る場合もあれば遅くなる場合もあります。

また、再発の可能性もありますのでそうなるとさらに復帰は遅くなります。

特にⅡ度損傷やⅢ度損傷など復帰時期まで期間がかかる場合は、リハビリを焦って再発するケースもあります。

 

膝内側側副靭帯損傷のリハビリ方法

怪我のリハビリ

膝内側側副靭帯損傷の怪我を負った後は、基本的に固定となります。

その後装具(サポーターやテーピング)をした状態でリハビリを行い、徐々に外していきます。

 

リハビリは受傷の仕方を考える必要があるので、ジャンプでの着地動作やカッティング(切り返し)動作がしっかり出来てから競技復帰となります。

 

膝は中間関節と呼ばれ、上の股関節と下の足関節の影響大きく受けます。

 

膝の怪我のリハビリとしては、この股関節や足関節の柔軟性や筋力を鍛えるものが多く行われます。

個人的には、膝を怪我する場合に膝に問題があることはあまりなく、問題があるのは股関節と足関節と言うケースが多いように感じます。

 

股関節と足関節の柔軟性と筋力を獲得し、その後スクワットやヒップヒンジ(股関節の動き)を獲得し、ジャンプ動作や着地動作の獲得、フィールドでのストップ、減速、切り返し動作を練習していきます。

 

こちらも、個人的にはフィールドでの動きの前に、股関節や足関節の柔軟性や筋力が欠如しているケースの方が多いように感じますので、私はこの股関節と足関節の柔軟性や筋力を重点的にリハビリを行います。

 

膝内側側副靭帯損傷にテーピングやサポーターは有効?

テーピング

膝内側側副靭帯損傷直後は、サポーターやギブス、テーピングなどの装具を使うケースが多いです。

特にⅡ度損傷、Ⅲ度損傷では膝関節に動揺性があるので、固定が必要となります。

 

また、Ⅰ度損傷で強行出場する場合もテーピングでの固定が重要です。

サッカーワールドカップの南アフリカ大会で、日本代表の今野泰幸選手は膝内側側副靭帯損傷のⅠ度損傷の怪我をしながら、テーピングでしっかり固定して出場していました。

こういった場合はテーピングが有効ですが、膝内側側副靭帯損傷の治療になるかと言うとまた違うと思います。

 

基本的には治療と言うよりもリハビリが大事だと思いますが、リハビリの助けとしてテーピングやサポーターは有効だと思います。

ただ、テーピングをすると治る、サポーターをすると治るという認識は誤りだと思います。

 

靭帯損傷の場合は、どこであれ無理な早期復帰は再発やさらに大きな怪我に繋がるリスクがあります。

ワールドカップのような大きな大会であれば強行出場もありですが、中学生や高校生などの育成年代のアスリートにはくれぐれも無理せずしっかり時間をかけて治して欲しいと思います。

 

むしろ、中学生や高校生が膝内側側副靭帯損傷の怪我を負っている場合は、股関節や足関節の柔軟性や筋力に問題があるはずですので、そのリハビリにしっかり時間を費やして欲しいと思います!

 

膝内側側副靭帯損傷の多いスポーツ

サッカー

膝内側側副靭帯損傷が多いスポーツは、色々な種類のスポーツがあります。

 

膝内側側副靭帯損傷の原因になりやすい動作は以下の通りです。

・ジャンプでの着地(特にサッカーのヘディングで相手と競り合った時など、バランスを崩したジャンプでの着地)

・コンタクトスポーツ(ラグビー・アメフト)など相手にぶつかられての転倒

・スキーやスノーボードでの転倒

・ピッチなど地面の状態が悪い中での切り返し動作(カッティング)など

 

これらはコントロール失った状態での着地をしたり、地面を踏ん張ったりすることで起こります。

 

膝内側側副靭帯損傷が起こりやすいスポーツと考えると、

・サッカー

・ラグビー

・アメフト

・テニス

・スキー

・スノーボード

・バスケ

・バレーボール

・体操

など、その他も多々あります。

 

つまり、それだけ起こりやすい怪我と言えます。

これらの動作が1回起こっただけでは膝内側側副靭帯損傷とはなりません。

元々負担がかかっていた時に、最後にこのような負担のかかる動作で止めを刺すようにして損傷します。

元々負担がかかる場合は、股関節の柔軟性や筋力低下、足首の柔軟性低下やバランス能力の低下、さらには足首や膝・股関節の別の怪我などが原因となります。

 

膝内側側副靭帯損傷の怪我をしたスポーツ選手例

膝内側側副靭帯損傷の怪我は、スポーツ中に多い怪我です。

その為、多くのスポーツ選手が膝内側側副靭帯損傷の怪我をしています。

 

ここではその一部をご紹介します。

 

<サッカー選手>

中島翔哉選手(FC東京・U-23リオ五輪代表) 右膝外側側副靭帯損傷の怪我で全治5~6週間

岩波拓也選手(ヴィッセル神戸・U-23リオ五輪代表) 左膝内側側副靭帯損傷の怪我で全治5~6週間

クリスティアーノ・ロナウド選手(レアルマドリード・ポルトガル代表) ユーロ決勝で左膝内側側副靭帯損傷の怪我で負傷交代

 

<バレーボール選手>

柳田将洋選手 リオ五輪世界最終予選で右膝内側側副靭帯損傷の怪我

 

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膝内側側副靭帯損傷のまとめ

膝の内側側副靭帯損傷についてまとめるとこのようになります。

 

・膝内側側副靭帯損傷はスポーツ中に多い怪我

・膝内側側副靭帯損傷は膝の靭帯損傷の中では比較的軽症の怪我

・膝内側側副靭帯損傷でも手術になることはある

・膝内側側副靭帯損傷の全治は重症度によるが2ヶ月くらいかかることもある

・膝内側側副靭帯損傷のリハビリでは股関節や足首など複合的なリハビリが必要

・膝内側側副靭帯損傷にサポーターもテーピングも有効だがそれで治るわけではない

 

怪我は可能な限り防ぎたいですが、怪我をゼロにするのは不可能です。

そしてどんな怪我も再発のリスクはあります。

しかし、しっかりとした治療・リハビリをすることで再発の可能性を減らすことができます。

特に膝の内側側副靭帯損傷の場合は、膝だけ見ても再発は防ぐことができません。

足首や股関節など全体を見た上でリハビリをすることが、再発予防の観点では大切です!

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