膝内側側副靭帯損傷とは?治療法・リハビリ方法などの解説

 

スポーツ中などに多い膝内側側副靭帯損傷の怪我について解説させて頂きます。

膝内側側副靭帯損傷は軽症であれば数日で強行出場が可能な怪我ですが、重症であれば全治が2ヶ月ほどかかる大きな怪我と言えます。

 

また、膝内側側副靭帯損傷は膝の怪我の中でも非常に多い怪我です。

 

プロスポーツ選手から中学生・高校生などの育成年代アスリート、一般のスポーツ愛好家まで幅広い層で起こり得る怪我です。

 

そんな膝内側側副靭帯損傷の原因、治療法、リハビリ、テーピングでの処置などについて解説していきます。

 

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膝内側側副靭帯(MCL)損傷とは?

膝内側側副靭帯損傷の怪我とは、文字通り膝の「内側側副靭帯」という靭帯を損傷する怪我です。

内側側副靭帯はたびたび「MCL」と訳されますが、一般的にはあまり認知されておらず専門用語と言えます。

 

この怪我は、重傷であれば膝内側側副靭帯“断裂”となりますが、多くは内側側副靭帯“損傷”となります。

 

内側側副靭帯は肘にもあり、肘の内側側副靭帯を損傷した野球選手はあの有名なトミー・ジョン手術を受けることになります。

 

膝の方はかなり多く見られる怪我で、様々なスポーツで起こります。

 

膝内側側副靭帯損傷の怪我は、膝に外反ストレスと呼ばれるストレスが過剰にかかることで受傷します。

外反ストレスとは、簡単に言えば膝が内側に入ることです。

 

自分で動かして膝を内側に入れるだけでは、大したストレスではありませんので特に内側側副靭帯を痛めることはありません。

 

膝内側側副靭帯損傷が起こる動きと多いスポーツ

膝内側側副靭帯損傷が起こりやすい動作は以下の通りです。

 

・ジャンプでの着地(特にサッカーのヘディングで相手と競り合った時など、バランスを崩したジャンプでの着地)

・コンタクトスポーツ(ラグビー・アメフト)など相手にぶつかられての転倒

・スキーやスノーボードでの転倒

・ピッチなど地面の状態が悪い中での切り返し動作(カッティング)など

 

これらはコントロール失った状態での着地をしたり、地面を踏ん張ったりすることで起こります。

 

膝内側側副靭帯損傷が起こりやすいスポーツと考えると、

・サッカー

・ラグビー

・アメフト

・テニス

・スキー

・スノーボード

・バスケ

・バレーボール

・体操

など、その他も多々あります。

 

つまり、それだけ起こりやすい怪我と言えます。

 

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膝内側側副靭帯損傷の全治(治療期間)は?

膝内側側副靭帯損傷の怪我の治療期間、つまり膝内側側副靭帯損傷の全治は、怪我の程度によってことなります。

膝内側側副靭帯損傷の怪我は、その重症度別に大きく3つに分けられるケースが多いです。(分類の仕方は色々あります)

 

膝内側側副靭帯損傷3つの分類方法

各分類の説明も、専門書により異なります。

 

膝内側側副靭帯Ⅰ度損傷

膝の動揺性がない。膝内側側副靭帯の微細損傷。

 

膝内側側副靭帯Ⅱ度損傷

膝の動揺性がある。膝内側側副靭帯の損傷が見られるが断裂には至っていない。

 

膝内側側副靭帯Ⅲ度損傷

膝の動揺性がある。膝内側側副靭帯の完全断裂が見られる。

 

全治の目安としては、Ⅰ度損傷の場合は全治1週間程度と比較的早く復帰できます。

膝内側側副靭帯損傷のⅠ度損傷の場合は、3日後くらいにテーピングでしっかり固定して強行出場という場合も見られます。

 

膝内側側副靭帯損傷のⅡ度損傷の場合は、全治は5~6週間程度です。

この場合の強行出場は難しく、実戦復帰までは時間を要します。

 

膝の内側側副靭帯損傷で全治1か月程度の場合は、この内側側副靭帯のⅡ度損傷と考えられます。

スポーツで内側側副靭帯損傷の怪我を負ってしばらく離脱という場合は、Ⅱ度損傷である場合が多いです。

 

Ⅲ度損傷は全治3~4か月となり、手術の適応となることが多いです。(最近はⅢ度損傷でも手術をしないケースも多いようですが)

 

また、Ⅲ度損傷(膝内側側副靭帯の完全断裂)の場合は合併損傷として膝の前十字靭帯損傷や内側半月板損傷の怪我も同時に引き起こすケースがあります。

 

膝前十字靭帯損傷の怪我についてはこちらから

 

膝半月板損傷に関してはこちらから

 

この膝前十字靭帯損傷・膝内側側副靭帯損傷・内側半月板損傷を同時に起こす怪我をアンハッピートライアドと言い、かなり深刻な大怪我と言えます。

 

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膝内側側副靭帯損傷のリハビリ方法とは?

膝内側側副靭帯損傷の怪我を負った後は、基本的に固定となります。

その後装具(サポーターやテーピング)をした状態でリハビリを行い、徐々に外していきます。

 

リハビリは受傷の仕方を考える必要があるので、ジャンプでの着地動作やカッティング(切り返し)動作がしっかり出来てから競技復帰となります。

 

膝は中間関節と呼ばれ、上の股関節と下の足関節の影響大きく受けます。

 

膝の怪我のリハビリとしては、この股関節や足関節の柔軟性や筋力を鍛えるものが多く行われます。

個人的には、膝を怪我する場合に膝に問題があることはあまりなく、問題があるのは股関節と足関節と言うケースが多いように感じます。

 

股関節と足関節の柔軟性と筋力を獲得し、その後スクワットやヒップヒンジ(股関節の動き)を獲得し、ジャンプ動作や着地動作の獲得、フィールドでのストップ、減速、切り返し動作を練習していきます。

 

こちらも、個人的にはフィールドでの動きの前に、股関節や足関節の柔軟性や筋力が欠如しているケースの方が多いように感じますので、私はこの股関節と足関節の柔軟性や筋力を重点的にリハビリを行います。

 

膝内側側副靭帯損傷にテーピングやサポーターでの固定は有効?

膝内側側副靭帯損傷直後は、サポーターやギブス、テーピングなどの装具を使うケースが多いです。

特にⅡ度損傷、Ⅲ度損傷では膝関節に動揺性があるので、固定が必要となります。

 

また、Ⅰ度損傷で強行出場する場合もテーピングでの固定が重要です。

 

サッカーワールドカップの南アフリカ大会で、日本代表の今野泰幸選手は膝内側側副靭帯損傷のⅠ度損傷の怪我をしながら、テーピングでしっかり固定して出場していました。

こういった場合はテーピングが有効ですが、膝内側側副靭帯損傷の治療になるかと言うとまた違うと思います。

 

基本的には治療と言うよりもリハビリが大事だと思いますが、リハビリの助けとしてテーピングやサポーターは有効だと思います。

ただ、テーピングをすると治る、サポーターをすると治るという認識は誤りだと思います。

 

靭帯損傷の場合は、どこであれ無理な早期復帰は再発やさらに大きな怪我に繋がるリスクがあります。

ワールドカップのような大きな大会であれば、強行出場もありですが、中学生や高校生などの育成年代のアスリートには、くれぐれも無理せずしっかり時間をかけて治して欲しいと思います。

 

むしろ、中学生や高校生が膝内側側副靭帯損傷の怪我を負っている場合は、股関節や足関節の柔軟性や筋力に問題があるはずですので、そのリハビリにしっかり時間を費やして欲しいと思います!

 

膝内側側副靭帯損傷の怪我をしたスポーツ選手一覧

膝内側側副靭帯損傷の怪我は、スポーツ中に多い怪我です。

その為、多くのスポーツ選手が膝内側側副靭帯損傷の怪我をしています。

 

ここではその一部をご紹介します。

 

<サッカー選手>

中島翔哉選手(FC東京・U-23リオ五輪代表) 右膝外側側副靭帯損傷の怪我で全治5~6週間

岩波拓也選手(ヴィッセル神戸・U-23リオ五輪代表) 左膝内側側副靭帯損傷の怪我で全治5~6週間

クリスティアーノ・ロナウド選手(レアルマドリード・ポルトガル代表) ユーロ決勝で左膝内側側副靭帯損傷の怪我で負傷交代

 

<バレーボール選手>

柳田将洋選手 リオ五輪世界最終予選で右膝内側側副靭帯損傷の怪我

 

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