肉離れは身体のあらゆる筋肉で起こる、発生頻度の多い怪我です。
太もも裏の筋肉であるハムストリングスや、ふくらはぎの筋肉である腓腹筋などが肉離れの起こりやすい筋肉です。
この筋肉よりも発生頻度は大きく下がりますが、お尻の筋肉である臀筋の肉離れも起こります。
こちらのページでは、臀筋肉離れ(臀部肉離れ)について解説していきます。
臀部肉離れとは?
臀部肉離れとは、お尻の筋肉である臀筋の肉離れです。
臀筋は、身体の中でも特に大きい筋肉であり、非常に強い筋肉です。
その為、損傷しにくい筋肉と言えますが、その臀筋が損傷してしまうのが臀筋肉離れです。
肉離れが起こる場合は、筋肉が引き伸ばされながら力が加わる状態で起こります。
専門的に言えば「エキセントリック収縮」という状態です。
このエキセントリック収縮の負荷に筋肉が耐えきれない程の過度な負担がかかることで、肉離れは起こります。
臀部肉離れの原因
臀筋肉離れの原因は、臀筋に対する過度な負荷です。
その為、柔軟性が低く上手く筋肉が伸びなかった場合や、負荷に耐えられるほど筋肉が強くなかったことが原因となります。
つまり、そもそも大きい筋肉で強い筋肉である臀筋の肉離れは起こりにくいと言えます。
臀筋に比べれば、ハムストリングス(太もも裏の筋肉)や腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)の方が弱い筋肉ですので、比較的肉離れの発生頻度は高いです。
臀筋肉離れの起こりやすい動作は、ジャンプ動作のようにかがんだ状態から飛び上がるような動作です。
ジャンプだけでなく、走る動作も同じような負荷が臀筋にかかります。
その他、ボールを投げる動作やハンマー投げ・円盤投げ・やり投げなどの投擲種目でも負荷がかかります。
また、テニスのようにかがんで力を溜めてから打つような動作も臀筋に負荷がかかります。
テニスの錦織圭選手が臀筋肉離れで棄権したことがありましたが、テニスでは比較的起こりやすい怪我とも言えます。
臀部肉離れの全治
臀部肉離れの全治は、その肉離れの損傷具合によって異なります。
軽症の肉離れであれば復帰は早いですが、重症であれば長期化します。
目安としては、次のようになります。
肉離れの重症度は、3つに分けられます。
軽症の肉離れがⅠ度損傷、中程度がⅡ度損傷、重症がⅢ度損傷です。
Ⅰ度損傷の臀部肉離れの全治は、約2週間と言われています。
Ⅱ度損傷の肉離れの全治は、約1~2か月と言われています。
Ⅲ度損傷の肉離れの全治は、全治3か月以上です。
ただこれはあくまでも目安ですので、当てはまらない場合もあります。
肉離れは再発が多い怪我ですので、無理に早期復帰することで再発というリスクもありますので、復帰に関しては注意が必要な怪我です。
肉離れの全治の解説はこちら
臀部肉離れの治療方法
臀部肉離れの治療方法としては、まずはRICE処置が一般的です。
RICE処置とは、応急処置方法の頭文字をとったものです。
Rはrestで、安静です。
Iはiceで、冷却(アイシング)です。
Cはcompressionで、圧迫です。
Eはelevationで、挙上です。
この4つの処置を行うことが、臀部肉離れの治療方法です。
逆に言えば、これくらいしかできませんので、治るまではある程度の期間が必要です。
RICE処置の解説はこちらから
臀部肉離れのリハビリ方法
臀部肉離れのリハビリ方法としては、まずは治療が終わって痛みがとれてから開始します。
これは臀部肉離れに限らず、あらゆる怪我で言えることですが、痛みをかばった状態で動けば他の部位に過度な負担がかかります。
主には隣接する関節に負担がかかりますので、臀部肉離れで痛みをかばって動けば、膝や腰などの怪我につながりやすいと言えます。
膝の怪我には、半月板損傷や前十字靭帯損傷など、かなり大きな怪我があります。
腰の怪我も、腰痛は全般的に長期化しやすい怪我ですので、注意が必要です。
ある程度の臀部の痛みが引いたら、臀筋のストレッチやトレーニングを開始していきます。
また、臀部の筋肉だけが原因ではなく、そこに過度な負担がかかっていた原因として他の部位の弱さや硬さも考えられます。
それらの関節の柔軟性、筋力などを詳しくチェックして、それぞれに合ったリハビリトレーニングを行うことが、臀部肉離れの再発防止や他の怪我に繋がるリスクを最小限にしてくれます。
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