多くの日本人が悩まされる腰痛について解説しています。
腰痛の種類や症状は色々ありますが、腰痛が治るまでの期間で分類する方法もあります。
それが慢性腰痛と急性腰痛です。
こちらのページでは、急性腰痛について解説していきます。
急性腰痛と慢性腰痛の分類方法は曖昧なところもありますが、概ね治るまでの期間で分類されます。
また、ぎっくり腰の症状を指して急性腰痛と言うこともあります。
ここでは、急性腰痛の症状や原因・治療方法やリハビリ方法などをご紹介します。
急性腰痛とは?
急性腰痛とは、1回の強い腰への負荷によって起こる急激な腰の痛みを指して言われる腰痛です。
急性腰痛の定義としては、腰痛の治るまでの期間が4週間以内の腰痛のことを言います。
また、ぎっくり腰のことを急性腰痛と表現することもあり、急性腰痛とは?の定義が曖昧とも言えます。
ただ対義語になる慢性腰痛と比較すると急性腰痛のイメージが掴めます。
慢性腰痛とは日々腰にかかり続けた負担によって起こる腰痛で、治るまでの期間が3か月以上の腰痛を指して言われます。
その為、少しずつ腰に負荷がかかって起こる腰痛が慢性腰痛、1回の強い負荷で突然痛くなる腰痛が急性腰痛という方がイメージが沸きやすいと思います。
急性腰痛は重いものを持ち上げた瞬間や、身体を捻った瞬間に起こりやすい腰痛です。
急性腰痛の症状
急性腰痛の症状としては、突然起こる腰の強い痛みが挙げられます。
さっきまでは全く痛みがなかったのに、突然激しい腰の痛みが起こります。
腰の痛みの種類としては、「ビキッ」「ズキッ」「ミシッ」といった感じの痛みであることが多いです。
慢性腰痛が放っておいてもあまり症状が改善しないのに対し、急性腰痛は最初に強い痛みが出るものの時間の経過とともに症状が改善することが多いです。
ただ応急処置は必要ですので、適切な処置を行うことで治りが早くなると言えます。
症状の強い急性腰痛ですと、立てない・歩けないくらいの激しい痛みがある場合があります。
また、腰椎椎間板ヘルニアのような原因があると足の痺れなどの症状も伴います。
専門医のアドバイスとしては、このようになっています。
多くは一週間~二週間程度で自然に回復していきますが、時間経過によって改善が見られない、または下半身に痛みやしびれと言った症状が出現した場合などは椎間板ヘルニアなどの病気が隠れていることがありますので要注意です。
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急性腰痛の原因
急性腰痛の原因としては、腰への強い負担が挙げられます。
元々姿勢や動きの癖に問題があり、腰に過度な負担がかかっていることが急性腰痛の間接的な原因となります。
そのような「いつ腰を痛めてもおかしくない状態」で、急に身体を捻ったり、重いものを持ち上げたり、くしゃみや咳などで急激に腰に強い負担がかかった瞬間に急性腰痛を発症します。
その為、これらの直接的な急性腰痛の原因だけではあまり急性腰痛は起こりません。
くしゃみや重いものを持つたびに急性腰痛になっていては、何もできませんし多くの方は何も起こらずに普通にくしゃみをして重いものを持ちます。
ただ、腰に過度な負担がかかり続けた状態であればこのような何気ない動作でも急性腰痛の原因となります。
急性腰痛になった方は「なんであんな何気ない動作で腰を痛めてしまうのか…」と落ち込んだり、驚かれたりする方が多いです。
この動作は最後の一押し、トドメになりますので元々の腰への負担がかかり続けていたことが問題です。
また、急性腰痛になる時は体調が悪かったり疲れがたまっている状態で起こりやすいと言えます。
特に睡眠不足の場合は要注意です。
日本人の睡眠時間はどんどん下がっており、韓国と並び世界最低レベルの睡眠時間の短さです。
その為、日本人には急性腰痛を起こしやすい人が非常に多いとも言えます。
急性腰痛の治療方法
急性腰痛の治療方法としては、まずは安静にする必要があります。
よく、安静にすることで腰痛が悪化するとも言われますがそれは慢性腰痛の話です。
慢性腰痛の場合は、筋力低下や柔軟性の低下が原因となっていることが多く、安静にし続ければ筋力も柔軟性もどんどん低下していき悪化します。
これが安静にすると腰痛が悪化する理由です。
ただ急性腰痛の場合は腰の筋肉や筋膜、靱帯などに炎症が起こっていることが多いです。
このような炎症反応がある場合でも動かした方がよいと言われることもありますが、現在のところ炎症がある場合は安静にするのが一般的な対処方法です。
具体的な急性腰痛の治療方法としては、RICE処置をはじめに行います。
RICE処置とは、応急処置の頭文字をとったものです。
R(安静)、I(冷却)、C(圧迫)、E(挙上)の英語の頭文字をとってRICE処置です。
急性腰痛が起こって最初の3日間はこのような処置をとるのが一般的です。
その為、腰痛は冷やすべきか温めるべきか?という論争がありますが、これも急性腰痛か慢性腰痛かによって異なります。
原則的に、急性腰痛であれば冷やす、慢性腰痛であれば温めるが一般的に正しいとされている方法です。
もちろん、人間の身体は分からないことが多いですので必ずしも正解とは言い切れません。
ただ基本的な正しい処置を知った上で新たな理論を取り入れる方がベターですので、急性腰痛の最初の3日間は冷やす、慢性腰痛であれば温めるという理解の方がいいと思います。
また、急性腰痛では鍼治療やお灸の治療もよく行われます。
急性腰痛を治してしまうゴッドハンド的な治療家さんもよくいますが、実際のところそのメカニズムははっきりしません。
多少怖いところもありますし、理由もはっきり説明できないもののなぜか急性腰痛を治してしまうという治療家さんがいますので、噂をもとにそういった方に依頼するのも1つの手です。
ただなぜ治るのかが説明できないものは、心配は心配ですのでリスクがあるという認識は必要だと思います。
急性腰痛のリハビリ
急性腰痛のリハビリ方法としては、基本的にはある程度痛みが落ち着いてから行います。
急性腰痛の直接的な原因としては、急に重いものを持ったり急激に身体を捻ったりという急な腰への強い負担です。
ただ、間接的な原因としては腰への過度の負担がかかり続けたことにあります。
急性腰痛が癖になると言われるのは、急性腰痛後にリハビリをしっかり行わずにこの腰への負担がかかり続けることが原因と考えられます。
その為急性腰痛のリハビリとしては、この腰への負担がかからないようにすることが目的です。
具体的には、腰に負担がかかる姿勢や動きの癖の改善です。
これは慢性腰痛のリハビリと同じ考え方ですが、急性腰痛が起こる場合にもやはり腰に過度な負担がかかる姿勢や動きの癖をしている方がほとんどです。
多くの日本人は、デスクワークなど座っている時間が長く筋力低下や柔軟性の低下を招いています。
その為、姿勢を保つ姿勢保持筋と呼ばれる筋肉も弱り正しい姿勢で立てません。
そうなると、腰に負担がかかるような姿勢になってしまいます。
また、股関節や胸椎(背骨の胸の部分)の柔軟性が低下すると代わりに腰が過度に働く必要が出てきますので、腰に負担がかかる動きの癖が出来てしまいます。
この股関節と胸椎の柔軟性が低下しやすい姿勢が座り姿勢です。
その為、長時間座っていることが多い人で股関節と胸椎の柔軟性が高い人はほとんどいません。
このような筋力低下や柔軟性低下を解消するために、ストレッチや筋トレ、体幹トレーニングなどを行うことが急性腰痛の再発を防ぐリハビリとなります。
ただ、これらはあくまで多い傾向ですので本来はなぜ急性腰痛が起こったのか、どのような理由で腰に負担がかかっているかの分析が必要です。
その為、急性腰痛のリハビリにはパーソナルトレーナーや理学療法士などの身体の専門家へ依頼することがお勧めです。
パーソナルトレーニングで腰痛が改善することも多く、慢性腰痛化した腰痛の改善や度々繰り返す急性腰痛の再発予防にパーソナルトレーニングはお勧めです。
何度も急性腰痛を繰り返してしまう場合は、一度しっかり分析してうえでリハビリを行うと、急性腰痛の再発率を大きく下げることが可能です。
腰痛の種類
腰痛には様々な種類や症状があります。
腰痛の分類方法も、急性腰痛と慢性腰痛だけではなく症状によって分類することもあります。
まずはどのような腰痛かをしっかり把握した上で対策を立てることが大切です。
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