腰椎椎間板ヘルニアとは?腰椎椎間板ヘルニアのリハビリ方法解説

腰椎椎間板ヘルニアとは? 腰痛のリハビリ

腰痛の中でも特に有名な、腰椎椎間板ヘルニアについて解説していきます。

 

腰痛で病院に行き「腰椎椎間板ヘルニア」と診断されたものの、実は腰痛の原因が腰椎椎間板ヘルニアではないというケースも多くあります。

ただ腰椎椎間板ヘルニアで腰痛となっている場合もあり、しびれが出て重症となるケースもあります。

 

簡単に腰椎椎間板ヘルニアの診断が出すぎだとは思いますが、それでも注意が必要な腰痛であることは間違いありません。

こちらでは、腰椎椎間板ヘルニアの原因・症状・再発予防方法などを解説します。

 

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腰椎椎間板ヘルニアとは?

腰椎椎間板ヘルニアとは?

腰椎椎間板ヘルニアはかなり有名な腰痛の種類だと思います。

腰椎椎間板ヘルニアとは、腰椎という背骨の腰の部分にある椎間板が正しい位置から逸脱して飛び出ている状態です。

 

この椎間板が飛び出ると、背骨を通っている神経を圧迫します。

神経が圧迫されることで、痛みや痺れなどが出るのが腰椎椎間板ヘルニアの症状です。

背骨を通る神経は腰に繋がっているだけではなく、下半身へ繋がります。

 

その為、腰椎椎間板ヘルニアになると足の痺れなどの症状が出ますが、これは足に異常があるわけではなく、足につながる神経が通る腰椎に問題があるために起こる症状です。

 

また、ヘルニアの意味は「本来ある位置から逸脱した状態」です。

つまり、ヘルニア=痛みがあるとは限りません。

 

腰椎椎間板ヘルニアとは、腰椎にある椎間板が正しい位置から逸脱しているだけですので、その逸脱した椎間板の組織が神経を圧迫しなければ痛みが出ないと言われています。

 

ただ、腰椎椎間板ヘルニアの状態は当然ですが身体にとって危険因子であり、いつどのような症状につながるかわかりませんので、ならないに越したことはありません。

 

また、坐骨神経痛も腰椎椎間板ヘルニアによって起こる症状の一つです。

 

ヘルニアの種類一覧はこちらから

 

腰椎椎間板ヘルニアの原因

腰椎椎間板ヘルニアの原因は、様々な原因が重なり起こると言われています。

腰椎椎間板ヘルニアの原因は、大きく3つの原因に分けられます。

 

腰椎椎間板ヘルニアの原因

・環境因子(姿勢・動作パターンなど)

・遺伝因子(体質・腰椎の骨の形状など)

・加齢

 

腰椎椎間板ヘルニアの原因①環境因子

腰椎椎間板ヘルニアの原因を一つずつ見ていきます。

まずは環境因子で、主には姿勢や動きの癖などが影響します。

 

常に腰に負担のかかる姿勢でいることが多いと、それだけで腰椎椎間板ヘルニアのリスクは上がります。

姿勢の崩れの中でも特に腰椎椎間板ヘルニアになりやすい姿勢は、反り腰ではなく腰の適切な反り(生理的湾曲)がない姿勢と言われています。

 

専門的にはフラットバック姿勢と言われますが、太ももの筋肉であるハムストリングスが固くなったり、骨盤のゆがみがあったりするとこのフラットバック姿勢になりやすいと言われています。

もちろん、反り腰のような姿勢でも負担はかかりますので腰椎椎間板ヘルニアのリスクはあります。

 

また、姿勢だけでなく動作パターンも影響します。

スポーツ選手で腰椎椎間板ヘルニアになる場合はまさにこれで、過度に腰椎に負担がかかる動作をし続けることで腰椎椎間板ヘルニアになります。

 

また、デスクワーカーなどずっと座っていることが多いことも腰椎椎間板ヘルニアの原因となります。

つまり、現代の日本人はかなり腰椎椎間板ヘルニアを発症しやすい環境で生活していると言えます。

 

腰椎椎間板ヘルニアの原因②遺伝要因

2つ目の腰椎椎間板ヘルニアの原因である遺伝要因は、生まれつきの要素です。

生まれつきの腰椎などの骨の形状や、椎間板の性質などによっては腰椎椎間板ヘルニアが起こりやすいと言えます。

 

こちらは個人の努力ではどうにもなりませんが、遺伝的な要因があっても必ず腰椎椎間板ヘルニアになる訳ではありません。

個人的にはどちらかと言えば遺伝的な要因よりも環境要因の方が、腰椎椎間板ヘルニアの原因としては強いと思います。

 

腰椎椎間板ヘルニアの原因③加齢

3つ目の腰椎椎間板ヘルニアの原因は加齢です。

加齢と共に腰椎の椎間板の水分量は減少していき、クッションの機能が弱まると言われています。

これにより、腰椎椎間板ヘルニアが起こりやすいと言われています。

 

これも加齢によって必ず腰椎椎間板ヘルニアになるとは限りません。

長年姿勢が悪いまま過ごし、腰椎に過度な負担がかかるような動作をし続け、それに加齢も加わってある日限界を迎えて腰椎椎間板ヘルニアとなる。

 

多くのパターンはこのような複合的な原因で腰椎椎間板ヘルニアになります。

 

腰椎椎間板ヘルニアは腰痛の原因ではない?

腰痛の原因はよくわかっていないとも言われ、腰痛の85%が原因不明という説もあります。

そんな中で、腰椎椎間板ヘルニアが腰痛の原因第1位と言われることもありますが腰椎椎間板ヘルニア=腰痛とは限りません。

 

先ほどもありましたが、腰椎椎間板ヘルニアとは腰椎の椎間板が正しい位置から逸脱しているだけですので、神経を圧迫しなければ症状は出ません。

 

その為よくある話として、「腰が痛いので病院に行きレントゲンを撮ったところ腰椎椎間板ヘルニアと診断された。でも腰椎椎間板ヘルニアの症状は特にない。」ということがあります。

腰椎椎間板ヘルニアであれば、足の痺れなどの症状が出やすいですがただ単に腰が重い・だるいという症状しかないという場合があります。

 

腰痛の原因ははっきりわからないものも多いですが、このような場合は腰椎椎間板ヘルニアが原因ではなく腰回りの筋肉などに問題がある筋筋膜性腰痛症であることが多いように感じます。

 

個人的にはパーソナルトレーニングの現場で腰椎椎間板ヘルニアと診断されたことがある方には多く会いますが、足の痺れなどの症状が出ている方はその中で半分にも満たないと思います。

 

腰椎椎間板ヘルニアの予防方法・リハビリ方法

腰椎椎間板ヘルニアの予防方法としては、腰椎椎間板ヘルニアの原因を取り除くことになります。

また、腰椎椎間板ヘルニアのリハビリ方法も同様です。

 

腰椎椎間板ヘルニアの原因は、環境因子・遺伝因子・加齢の3つです。

遺伝的な要因と加齢はどうにも出来ませんので、腰椎椎間板ヘルニアの予防やリハビリでできることは環境要因の改善です。

 

具体的には姿勢改善や動作パターンの改善、腰部周囲の筋力強化などです。

基本的には正しい姿勢が最も身体に負担が少ないと言われています。

 

腰椎椎間板ヘルニアになる方はほぼ間違いなく姿勢が崩れていると言えますので、まずは姿勢改善から始めます。

姿勢改善の方法は、姿勢が崩れる原因となっている筋肉の弱化や柔軟性不足などを改善するため、原因となっている個所を見極めた上で姿勢改善ストレッチやトレーニングを実施します。

 

その為、やみくもに姿勢改善トレーニングをする前にまずは専門家であるパーソナルトレーナーに姿勢の分析や動作分析を依頼することをお勧めします。

 

動作パターンも同様に、腰に過度な負担がかかる動作の改善をします。

腰に負担がかかる動作としては、隣接する関節である股関節と胸椎(胸の背骨)がスムーズに動かないことで起こります。

 

この股関節と胸椎は長時間座っていることで、柔軟性が低下しますので、やはり腰椎椎間板ヘルニアはデスクワーカーに多いと言えそうです。

 

腰椎椎間板ヘルニアの治療方法

腰椎椎間板ヘルニアの治療方法は、症状によって異なります。

症状がかなり強い段階では運動をすることも難しいですが、症状が軽くなってからは運動療法が有効です。

 

日本整形外科学会のホームページで紹介されている治療方法はこちらです。

 

痛みが強い時期には、安静を心がけ、コルセットをつけたりします。また、消炎鎮痛剤の内服や坐薬、神経ブロック(神経の周りに痛みや炎症を抑える薬を注射する)を行い、痛みをやわらげます。腰を温めるのも良いでしょう。痛みが軽くなれば、牽引を行ったり運動療法を行うこともあります。

 

公益社団法人日本整形外科学会ホームページ 腰椎椎間板ヘルニア

「腰椎椎間板ヘルニア」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる

 

腰椎椎間板ヘルニアはスポーツ中にも多い怪我

腰椎椎間板ヘルニアは、運動不足の人に多い腰痛というイメージがあると思いますが、スポーツ中に多い怪我とも言えます。

これは年齢的には比較的若いアスリートですので、加齢の影響よりも環境の要因が強いと思います。

過度に腰に負担がかかる動作を繰り返し続けた結果、腰が限界に達して腰椎椎間板ヘルニアを引き起こします。

 

また、膝や足首などの怪我が腰への負担を増しますので、このような怪我の影響で腰椎椎間板ヘルニアを引き起こす場合もあります。

膝の怪我は膝内側側副靭帯損傷や膝半月板損傷など多くの怪我が起こりますし、足首も足関節内反捻挫の怪我はスポーツ中に非常に多い怪我です。

 

外傷性腰椎椎間板ヘルニア

このような怪我もあり、腰椎椎間板ヘルニアとなる場合も多いですが、1回の強い負荷で腰椎椎間板ヘルニアになる場合もあります。

これは、外傷性腰椎椎間板ヘルニアと呼ばれます。

交通事故で腰椎椎間板ヘルニアとなる場合もありますが、これはこの外傷性腰椎椎間板ヘルニアです。

 

超有名バスケ漫画のスラムダンクで、主人公の桜木花道が腰を痛めるシーンがありますが、これも外傷性腰椎椎間板ヘルニアではないかと思っています。

 

腰椎椎間板ヘルニアを発症したスポーツ選手一覧

腰椎椎間板ヘルニアはスポーツ中にも多く起こる怪我ですので、多くのアスリートが腰椎椎間板ヘルニアの怪我を経験しています。

ここでは、腰椎椎間板ヘルニアの怪我をしたスポーツ選手の一部をご紹介します。

 

ウェイトリフティング・三宅宏実選手…腰椎椎間板ヘルニアの怪我を抱えながらリオ五輪で銅メダルを獲得

競泳背泳ぎ・入江陵介選手 腰椎椎間板ヘルニアの怪我から復帰

サッカー マリオ・バロテッリ選手 腰椎椎間板ヘルニアで手術を受け、全治3か月以上

野球・城島健司選手 腰椎椎間板ヘルニアで手術を受けるも、この怪我が影響して引退しています

大相撲・逸ノ城関 腰椎椎間板ヘルニアで加療1か月の診断で秋場所休場

 

この記事を書いた人
中谷圭太郎

東京の東中野・落合にあるピラティス&コンディショニングスタジオhc-life代表トレーナー。スタジオ経営、パーソナルトレーニングレッスンの傍ら、公式ブログを中心にトレーニングや健康に関する情報を発信中。

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