腹筋運動(上体起こし)が腰痛の原因になる?腹筋と腰痛の関係

 

腰が痛くて病院に行ってレントゲンを撮ったけど異常がなく、「腹筋と背筋を鍛えてください」と言われて湿布を出された。

 

これはパーソナルトレーニングに現場で、聞き飽きるほど聞いた話です。

私がパーソナルトレーナーとして働き始めた時から、現在に至るまで聞き続けています。

 

しかし、その腹筋や背筋は鍛え方次第では腰痛に逆効果になります。

 

という話はなかなか浸透していませんでしたが、大々的にニュースになりました。

 

日本バスケットボール協会が腹筋運動(上体起こし)は腰に悪いのでやめるようにと警鐘を鳴らしているという記事が、朝日新聞で掲載されました。

 

そんな腹筋運動と腰痛の関係について、パーソナルトレーナーの視点でご紹介します。

 

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腹筋運動(上体起こし)は腰痛の原因になる!

腹筋運動(上体起こし)が腰痛の原因になることが、朝日新聞の記事で紹介されました。

 

こちらがヤフーニュースで転載された、朝日新聞の記事です。

 

腹筋を鍛える運動としてよく知られる「上体起こし」。一般的に「腹筋運動」と呼ばれるこの動作を何度も繰り返すことが、腰痛の原因になるとして、やめさせる動きが、バスケットボール界などで広がってきている。

 

日本バスケットボール協会では昨年から、指導者養成の場で上体起こしを「推奨できないトレーニング方法」として周知を進めている。全国を9地域に分けて選抜した小学生や指導者を集めた研修会や、年代別の日本代表の強化などで、専門のコーチが伝えている。

 

協会が参考にしたのが、カナダ・ウォータールー大のスチュアート・マックギル名誉教授の研究だ。ひざを曲げた状態か、伸ばした状態かに関わらず、上体起こしで脊椎(せきつい)が圧迫される力は、米国立労働安全衛生研究所が定めた腰痛につながる基準値と同等だとする研究結果を発表した。何度も繰り返すことで、背骨の間の椎間板(ついかんばん)を痛めるという。

 

一流選手に腰痛対策を指導してきた経験からも、「背骨の形状などによって個人差はあるが、力がかかった状態で腰を曲げ伸ばしするとヘルニアなどの障害が起きる。できるだけ背骨を摩耗しない方法で腹筋を鍛える方が腰痛のリスクは少ない」と話す。代わりに、腰は動かさずに腹筋を収縮させて胸部を曲げる「カールアップ」などを推奨している。

 

ヤフーニュースより抜粋

 

要約すれば、「いわゆる腹筋運動は腰に悪いからやらないでカールアップをしてね」ということです。

 

スチュアート・マックギル博士は、トレーナー業界では非常に有名な腰痛の権威です。

そのため、この記事はかなりしっかりした情報だと言えます。

 

実際にこの記事の通り、上体起こしは腰部へのストレスが非常に強いと言えます。

回数を多くしたり、重りを持ったりすればその腰への負荷はさらに増します。

 

その結果、腰椎椎間板ヘルニアなどの大きな怪我に繋がりかねません。

 

これは個人的な見解ですが、そもそもこの動作は「腹筋を割る」以外の目的では何のためのトレーニングなのかわかりません。

 

パーソナルトレーナーがトレーニングを組むかんがえかたの1つに「トレーニングの原則」というものがあります。

トレーナーなら誰も知っているものです。

 

この中に、「特異性の原則」というものがあります。

特異性の原則とは、簡単に言えば実際の使い方と同じ使い方で鍛えましょうということです。

 

例えばスキーで滑るときに使う下半身の筋肉の使い方と、ゴルフのスイングで使う下半身の筋肉の使い方は全く違います。

ただどちらも下半身の筋肉です。

 

筋肉を使う場合、筋肉の収縮の仕方やどの部分を使うか、地面に足がついているか浮いているか、下が滑るのかなどで使われ方が違います。

 

それに合わせてトレーニングをしましょうというのが原則です。

 

そう考えれば、あの腹筋運動は一体何の動作に使う運動なのか?と考えると、正直よくわかりません。

ただ、腹筋を割には効果があると思います。

 

腰痛の予防に繋がるものではありませんが、医者が「腹筋と背筋を鍛えてください」しか言わないので、それを言われた腰痛患者があの腹筋運動を連想してトレーニングするということが起こっています。

 

また、昔から部活動では「腹筋・背筋・腕立て」が基本セットになっていることが多いと思います。

私の世代でもそうでした。

 

そうして腰痛患者もスポーツ選手も行う腹筋運動ですが、個人的には腹筋を割りたい人以外にはおすすめできませんし、腰痛のリスクがあるということは承知して行うべきだと思います。

また、やるにしてもその準備として基礎的な柔軟性や筋力が必要です。

 

腹筋運動ですすめられる「カールアップ」とは?

そんな腹筋運動に変わって朝日新聞の記事ですすめられているのが、カールアップです。

 

これはピラティスなどでも行われる動作です。

 

見た目は普通の上体起こしに近いので、違いがわかりにくいと思います。

 

上体起こしの腹筋運動は、足をどこかに引っ掛けて上体を起こします。

これに対してカールアップは足を引っかけずに挙げた状態で動かしません。

 

足の力を使えないので、腹筋の上部を中心に動くことになります。

 

上体起こしを「足を上げて」「反動を付けず」「ゆっくり」「おへそを覗き込むように」行えば、カールアップの動作になります。

 

ただこれは動画や文章を見て我流でやるよりも、しっかりと指導を受けた方が安全です。

腰痛のリスクを負ってトレーニングを続けるよりは、一度指導を受けた方が安全ですし効率的です。

 

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腰痛改善に必要な腹筋運動とは?

では医者の言う「腰痛には腹筋を鍛えてください」は間違いなのかというとそうでもありません。

 

腹筋と言っても種類が色々ありますので、呼吸で使う筋肉を中心に鍛えると腰痛予防になると言えます。

 

インナーユニットと呼ばれる「腹横筋」「多裂筋」「横隔膜」「骨盤底筋」などがそれにあたります。

 

呼吸のトレーニングなどを行い、これを鍛えるのが腰痛予防に繋がる腹筋運動です。

ただ、個人的にはこれでは不十分と考えています。

 

パーソナルトレーニングの現場でよく感じるのは、腰痛の方は100%股関節の柔軟性や筋力が不足しています。

特に柔軟性の不足は深刻です。

 

柔軟性も細かく言えば色々ありますが、例えば前屈で床を触る、開脚で前に身体を倒せるなどの柔軟性は求められます。

 

この時に特に股関節の柔軟性が必要で、仰向けで寝て片足を天井に向かって上げられる(90度の角度で上がる)くらいの柔軟性が必要です。

 

このような柔軟性がなければ、いくら腹筋を鍛えても股関節のあらゆる動作で腰に負担がかかります。

 

上体起こしの腹筋も、この柔軟性がある人とない人では腰にかかる負担は違います。

 

どのような運動も同じですが、基礎的な柔軟性と基礎的な筋力がなければどこかに過度な負担がかかります。

 

どこの柔軟性が低いのか、どこの筋力が低いのかといったチェックを受けることで安全に効果的なトレーニングができます。

自分の筋力や柔軟性を知りたいという方は、一度パーソナルトレーニングをお試しくださいませ!