パーソナルトレーナーの資格として、健康運動指導士をご紹介しました。
それに近い資格である、健康運動実践指導者の受験資格についてご紹介します。
健康運動実践指導者も、パーソナルトレーナーの資格の種類で言えば「パーソナルトレーナーに近い資格」と言えると思います。
健康運動実践指導者の資格取得までの流れ
健康運動実践指導者の受験資格には5つの条件があり、このうちいずれか1つを満たせば受験資格を得られます。
つまり、必ずしも学校に通わないといけない訳ではありません。
また、正確には「健康運動実践指導者の受験資格」ではなく、「健康運動実践指導者養成講習会の受講資格」となります。
健康運動実践指導者の資格は、健康運動実践指導者養成講習会という指定の講習会を受講し、その後認定試験に合格することで「健康運動実践指導者の資格取得」となります。
つまり、健康運動実践指導者の資格取得のプロセスはこうなります。
健康運動実践指導者の受講資格を満たす
↓
健康運動実践指導者養成講習会を受講する
↓
健康運動実践指導者認定試験に合格する
↓
健康運動実践指導者の資格取得
このようになります。
そしてこちらが健康運動実践指導者養成講習会の受講資格になります。
健康運動実践指導者の受験資格
下記の5つの条件のうち、1つ以上を満たせば受講が可能となります。
1、体育系短期大学または体育専修大学(2年制)若しくはこれと同等以上の学校の卒業者(卒業見込みを含む)
2、3年以上運動指導に従事した経験のある者
3、運動指導に関する資格を有する者
4、保健医療に関する資格を有する者
5、学校教育に関する資格を有する者
また、健康運動実践指導者の資格を発行する公益財団法人健康・体力づくり事業財団のHPでは、3~5の受講資格について、例が挙げられています。
健康運動実践指導者養成講習会の受講資格となる資格の例
3の運動指導に関する資格を有する者の例
・エアロビックダンスエクササイズインストラクター
・スポーツプログラマー
・フィットネストレーナー
・ヘルスケアトレーナー
・アスレティックトレーナー
・運動普及推進員
4の保健医療に関する資格を有する者の例
・保健師
・管理栄養士
・看護師
・准看護師
・助産師
・薬剤師
・栄養士
・あん摩マッサージ指圧師
・はり師
・きゅう師
・柔道整復師
・理学療法士
・作業療法士
・臨床検査技師
・介護支援専門員
・保育士
・ホームヘルパー1級
・ホームヘルパー2級
5の学校教育に関する資格を有する者の例
・幼稚園教諭
・小、中、高等学校教員免許
人によっては、健康運動指導士よりもこちらの健康運動実践指導者の方が受験資格を得やすいという方もいると思います。
この資格は健康運動実践指導者の受験資格になるの?
というものも多数あると思いますので、そちらは公益財団法人健康・体力づくり事業財団へお問い合わせください!
健康運動実践指導者は大学や専門学校に行かなくても受験できる?
健康運動実践指導者は、先ほどの受験資格(健康運動実践指導者養成講習会の受講資格)を満たせば取得可能です。
その為、健康運動実践指導者を取得する為にわざわざ大学や専門学校に入り直したり、大検を受ける必要はありません。
ただ、先ほどの資格を取得していることや3年以上運動指導に従事したなどの条件をクリアしないといけません。
その上で認定試験に合格すれば、晴れて健康運動実践指導者の資格取得となります。
パーソナルトレーナーの資格でご紹介しているNSCA-CSCSは大卒という学歴の条件があります。
それに比べれば、健康運動実践指導者は学歴に関する条件はそこまで影響がありません。
健康運動実践指導者とは?
健康運動実践指導者の受験資格について解説していきましたが、そもそも健康運動実践指導者とはどんな資格なのか?
健康運動実践指導者は、健康運動指導士と同じような資格ですが少し異なります。
どちらも公益財団法人健康・体力づくり事業財団が発行する資格ですが、イメージ的には健康運動指導士の上位資格がこの健康運動実践指導者と言えそうです。
ただ、厳密には「上位資格です」とはどこにも表記されていません。
そんな上位資格っぽい感じがする、健康運動実践指導者の資格について解説します。
健康運動実践指導者のは、「積極的な健康づくりを目的とした運動を安全かつ効果的に実践指導できる能力を有すると認められるもの」と公益財団法人健康・体力づくり事業財団では定義づけられています。
積極的な健康づくりを目的とした運動を
安全かつ効果的に実践指導できる能力を有すると認められる者
公益財団法人 健康・体力づくり事業財団ホームページより抜粋
ただこれだけだとよく分からないので、もう少し詳しくみていきます。
健康運動実践指導者の役割としては、「運動による健康づくり」です。
そのため健康運動実践指導者の活動する場所は、フィットネスクラブやアスレティッククラブ、病院や診療所、介護施設や福祉施設、学校などです。
簡単に言えば運動指導者の為の資格ですが、健康運動実践指導者はどちらかというとアスリートのサポートのような仕事ではなく運動の普及、国民の健康づくりといった役割が期待されています。
それは元々の健康運動実践指導者の始まりである、第2次国民健康づくり運動(アクティブ80ヘルスプラン)といった政策に基づいています。
健康運動実践指導者の役割は、健康づくりの国民運動化(ポピュレーションアプローチ)と言えそうです。
その為、健康運動実践指導者の資格はパーソナルトレーナーの資格とは言えません。
ただ、かなり近い資格と言えますので、パーソナルトレーナーの活動をする上で持っていて損はないと思います。
健康運動実践指導者と健康運動指導士の違い
健康運動実践指導者の資格取得を考える上で気になるのは、健康運動指導士との違いです。
健康運動実践指導者も健康運動指導士もともに公益財団法人健康・体力づくり事業財団が発行する資格ですので、何らかの違いがありそうです。
ただこちらは公益財団法人健康・体力づくり事業財団のホームページでもはっきりと「何が違います」というような表記はありません。
イメージ的には、健康運動指導士の上位資格が健康運動実践指導者というイメージがあります。
実際に健康運動実践指導者の方が細かい受験資格があり、資格の取得の難易度としては健康運動実践指導者の方が高そうです。
ただ、はっきりは書かれていないものの健康運動指導士は怪我や生活習慣病などのハイリスク者への個別指導・健康支援といった表記があります。
健康運動実践指導者には「自ら見本を見せられる実技指導と、特に集団に対する運動指導にたけたもの」という表記があります。
その為、怪我や病気のリスクがある人のサポートは健康運動指導士、健康増進・生涯健康サポートは健康運動実践指導者という住み分けでしょうか?
ただ個人的には、この健康運動指導士と健康運動実践指導者の資格によってパーソナルトレーナーとして大きな優劣が付く印象はありません。
健康運動実践指導者の資格は就職や年収に有利?
健康運動実践指導者の資格取得を目指す上で気になるのが、「健康運動実践指導者の資格を取得すると年収や就職に有利か?」ということだと思います。
健康運動実践指導者に限らず他のパーソナルトレーナーの資格やパーソナルトレーナーに近い資格でも同じですが、この資格があれば就職に有利だったり年収が上がるという資格は基本的にはないと思います。
もちろん、現場によっては必須の資格もあります。
ただ、年収などに影響することは少ないと思います。
何らかの資格取得が望ましいとされていて、その中にこの健康運動実践指導者も入っているというケースは多いと思います、
その為、健康運動実践指導者の資格は持っているに越したことはない資格ですが、あればいくら年収が上がる、あれば就職で有利だから取ろうという資格ではないと思います。
こちらもどの資格でも同じですが、発行している団体の理念などに賛同できるかなどが決め手になると思います。
ただ、一つ健康運動実践指導者の資格で有利になりそうな点が、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が発行している資格ということです。
民間資格に変わりはないですが、公益財団法人ですので地方自治体からの仕事などで有利に働くことが考えられます。
将来的に地方自治体と連携して仕事をしたいというビジョンがある場合には、健康運動実践指導者の資格はぜひ取得しておきたい資格と言えそうです。
健康運動実践指導者の資格試験(受験資格・合格率)
健康運動実践指導者の受験資格は色々決まりがありますが、その後に資格試験があります。
健康運動実践指導者の資格を取得するには、健康運動実践指導者の養成講習会を受講しその後の試験を受けて合格する必要があります。
試験は実技・筆記があり、養成講習を受講すると受験可能です。
筆記試験には運動生理学やバイオメカニクス、栄養、スポーツ障害の予防や応急処置、体力測定などの分野があります。
内容は養成講習会の内容に準じますので、しっかりと養成講習会で学んだ内容が頭に入っていれば合格可能だと思います。
また、筆記試験はマークシートの5者択一のようです。
実技試験はダンス・水泳・ジョギング・ウォーキングから1つを選択して行います。
そして気になる健康運動実践指導者の合格率ですが、概ね80%前後である場合が多いようです。
養成講習会がそのまま試験対策になりますので、健康運動実践指導者の資格取得を目指す場合はまずは養成講習会に参加することになります。
資格にはそれぞれ特徴がありますので、目的に合わせた資格取得を目指しましょう!
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