オスグッドとは?オスグッドのリハビリ方法解説

「膝の成長痛」としても有名なオスグッドについて解説していきます。

 

オスグッドは有名ですが、その割に予防法や対策方法は知られていないように感じます。

オスグッドは身長が伸びていることも原因の1つですので、身長が止まるまで放っておけば改善はされます。

 

ただ、それでは身長が伸びている間は痛みに耐えるしかなく部活などのスポーツ活動も出来ません。

こちらのページでは、そんなオスグッドの症状や原因、予防方法やリハビリ方法などを解説していきます。

 

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オスグッドとは?正式名称は「オスグッドシュラッター病」

オスグッドとは、膝に起こる成長痛の1つです。

オスグッドと言う名前が一般的で有名ですが、正式名称は「オスグッドシュラッター病」と言います。

非常に長いので、こちらのページでは「オスグッド」で統一します。

 

オスグッドは、成長期に起こるものでオーバーユース(使い過ぎ)によるスポーツ障害の一種と言えます。

「オスグッドは成長痛だからしょうがない」と思われる方も多いと思います。

 

確かに、成長期であれば多少しょうがない面もあると思います。

ただ、身長が伸びていることだけがオスグッドの原因ではありません。

 

身長を止めることはできませんが、それ以外のオスグッドの原因は改善することが出来ます。

オスグッドになった場合は仕方がないではなく、身長が伸びること以外の原因を取り除くことでオスグッドの症状を和らげて早期復帰することが出来ます。

 

オスグッドの症状

オスグッドの症状としては、膝下の強い痛みです。

オスグッドが起こる場所は、膝のお皿の下のすねの骨です。

 

ここは太ももの前側の筋肉である大腿四頭筋が繋がっているところです。

オスグッドの症状は最初は痛みが少ないですが、徐々に悪化していくことが多いです。

重症のオスグッドでは、かなり強い痛みが伴います。

 

痛みが出る時は、歩く・走る・階段を上るなどで起こりやすいですが、重症のオスグッドでは何もしなくても痛みが出ることもあります。

 

また、熱感を持つ場合もあり、膝のお皿の下がボコッと出てくることもあります。

この骨の出っ張りは、身長が止まってもそのまま残ることが多いです。

 

オスグッドの症状について、日本整形外科学会ではこのように解説しています。

 

脛骨結節(お皿の下の骨)が徐々に突出してきて、痛がります。時には、赤く腫れたり、熱を持ったりします。休んでいると痛みが無くなりますが、スポーツを始めると痛みが再発します。
発育期のスポーツ少年に起こりやすいのが特徴です。

 

日本整形外科学会「オスグッド病」

「オスグッド病」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる

 

オスグッドの原因

オスグッドの原因としては、太ももの前側の筋肉である大腿四頭筋が大きく関わります。

この大腿四頭筋は、膝下のすねの骨に付着しています。

 

大腿四頭筋が強く引っ張ることで、このすねの骨が耐えきれずに痛みが出ます。

人間の成長では、先に骨が伸びてそれにつられる形で筋肉や腱が伸びます。

 

オスグッドが起こる原因は、この骨だけ先に伸びて筋肉が付いて行っていないことも挙げられます。

つまり、太ももの骨である大腿骨やすねの骨である脛骨が先に伸び、その成長に大腿四頭筋が付いて行っていない状態です。

 

骨に対して筋肉が短くなりますので、筋肉が硬く柔軟性が低いのと同じ状態になります。

そうなると、筋肉が強く骨を牽引する力が加わります。

丈夫な骨であれば、強く牽引されても問題はありません。

 

ただ、身長が伸びている途中の骨は非常に脆いです。

この為、成長期では骨が筋肉を過度に牽引する上に骨が脆いため痛みが出やすいです。

 

これが、オスグッドの原因と言われています。

この状態で大腿四頭筋を過度に使うストップ動作やジャンプの着地などを繰り返すことで、よりオスグッドの症状が悪化します。

 

オスグッドの成長期以外の原因

これがオスグッドが成長期で起こる原因です。

ただ、それ以外にもオスグッドの原因はあります。

 

下半身の動きは、股関節と膝と足首の3つの関節が連動して起こります。

この時、どこかの柔軟性や筋力が不足していれば他の関節に過度な負担がかかり怪我に繋がりやすいです。

 

膝が過度に動けば、オスグッドのリスクは上がります。

特に、股関節の屈曲という曲がる動作が上手くできないと膝が過度に曲がります、

 

この膝が過度に曲がることが、オスグッドの原因になります。

 

ところが、股関節の屈曲の柔軟性は多くの中学生や高校生が低下しています。

中学生に限らず、ほとんどの日本人が低下していると言えます。

 

その原因が、座っている時間の長さです。

長時間座ることで、股関節の柔軟性は低下します。

パソコンやスマホの普及、洋室の増加などで日本人は椅子に座っている時間が非常に長くなっています。

 

長時間座ることで寿命が縮むと言われるほど、長時間座ることは身体に悪影響を与えます。

 

このような原因で、股関節がスムーズに動かないことにプラスして、成長期という要素が加わることがオスグッドの原因です。

その為、この股関節の柔軟性低下は改善可能なオスグッドの原因です。

 

オスグッドの治療方法

オスグッドの治療方法としては、安静が第一です。

基本的には、オーバーユース(使い過ぎ)で起こるスポーツ障害の一種ですので、休めばよくなります。

 

ただ、また動けばオスグッドは再発します。

その為、負担が掛かり過ぎないようにサポーターを付けたり、テーピングを巻いたりという対処法があります。

 

ただ、これらはあくまでも対処法で治療方法ではありません。

治療方法としては、安静が一番です。

 

そして大腿四頭筋の固さがオスグッドの原因の1つですので、大腿四頭筋のストレッチやマッサージも治療として行われます。

ある程度痛みが引けば、リハビリを開始して股関節の動きなどの原因を改善します。

 

オスグッドのリハビリ方法

オスグッドのリハビリ方法・予防方法として、股関節の柔軟性を高めることと大腿四頭筋の柔軟性を上げることが挙げられます。

身長の伸びはコントロールできないので、この2つが現実的に可能なオスグッドの予防方法と言えます。

 

そして、オスグッドの症状が出て痛みが強い状態ではこれらの対策は出来ません。

痛みが強ければ動かせませんので、これらの対策は難しくなります。

 

その為、オスグッドの症状が出るまでにこの股関節の柔軟性と大腿四頭筋の柔軟性は高めておく必要があります。

そもそも、股関節の柔軟性はオスグッドの予防に限らず競技力向上には必須の項目です。

 

中学生のトレーニングでは、基礎的な柔軟性や筋力が欠落している選手がほとんどですのでやることは多いです。

ところが、実際はトレーナーなど身体の専門家が中学生などの育成年代についていることはほとんどありません。

 

そうなるとほとんどフィジカルトレーニングを行わない、我流でやるなどの場合がほとんどです。

その結果、しっかりと基礎的な柔軟性や筋力が鍛えられることもなくオスグッドを起こしやすい選手が大勢出来てしまいます。

 

中学生レベルでも、しっかりトレーニング出来る環境を作ることが遠回りですがオスグッドの根本的な予防方法と言えるかもしれません。

 

オスグッドにはストレッチが有効?

「オスグッドの対策にはストレッチをすればいい」と言われることも多いです。

これは、半分正解ですが半分不正解です。

 

ここまでの解説の通り、大腿四頭筋の柔軟性不足はオスグッドの原因の1つです。

そして、成長期では一時的に骨に対して筋肉の成長が遅れるので柔軟性は低下してしまいます。

 

その為、大腿四頭筋のストレッチは有効ですがそれだけでは不十分です。

個人的には、股関節の柔軟性不足の方が要因として強いケースが多いと思います。

 

オスグッドの対策方法まとめ

オスグッドの対策としては、股関節の柔軟性を先に付けるなどそもそもすねの骨に過度な負担がかからない状態を作っておいてから成長期を迎えることです。

 

ただ、普通にしていればこのような柔軟性は無い選手がほとんどです。

股関節は非常に大きな関節で全身への影響が強いです。

競技力向上という意味でも、しっかりとトレーニングしておく必要があります。

 

中学生や小学生などの育成年代でも、しっかりトレーニング出来る環境を作ることがオスグッドを根本的に減らす対策と言えると思います。

 

また、中学生時代は「クラムジー」という症状が出やすい難しい時期です。

オスグッドなどに悩まされる中学生は、中学生時代はスポーツで結果を出す時期というよりもその先で結果を出す準備期間くらいの意識の方がいいと思います。

 

この記事を書いた人
中谷圭太郎

東京の東中野・落合にあるピラティス&コンディショニングスタジオhc-life代表トレーナー。スタジオ経営、パーソナルトレーニングレッスンの傍ら、公式ブログを中心にトレーニングや健康に関する情報を発信中。

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