クラムジーとは?成長期のスポーツ選手に起こる極度のスランプ

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成長期の子供の身体は、大きく変化をしています。

骨も伸びて体格も変わると、その変わった身体を動かすための感覚にも変化が起こります。

 

成長期の急激な身体の変化に感覚が付いて行かず、スランプに陥る現象のことを「クラムジー(Clumsy)」と言います。

中学生くらいのスポーツをしている子供で、突然パフォーマンスが低下した場合はこのクラムジーが疑われます。

 

クラムジーの対策方法よりも、まずはクラムジーという存在を知ることが大切です。

私自身も経験したことがありますが、クラムジーという言葉を知ったのは20歳を超えてからでした。

中学生時代にクラムジーという言葉を知っていれば…という思いがありますので、多くの方にクラムジーの存在を知ってもらえればと思います。

 

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クラムジーとは?クラムジーの意味

クラムジーとは成長期の身体の変化に感覚が付いて行かずにスポーツなどのパフォーマンスピラミッドが一時的に大きく下がる現象のことを言います。

 

クラムジーの意味は、元々「不器用」「ぎこちない」という意味です。

その名の通り、クラムジーは今まで出来ていた技術がぎこちなくなり、出来なくなってしまいます。

 

クラムジーは主に13歳~15歳の中学生年代に起こります。

よくジュニアアスリートの成長を年齢で分ける「ゴールデンエイジ」という言葉が使われます。

分ける年齢は多少誤差がありますが、概ね9歳~12歳が「ゴールデンエイジ期」、その前の5歳~8歳が「プレゴールデンエイジ期」、13歳~15歳が「ポストゴールデンエイジ期」と言われています。

 

ゴールデンエイジ期は、身体を操る能力が爆発的に伸びる時期であることからゴールデンエイジと呼ばれています。

クラムジーが起こるのはちょうどその後のポストゴールデンエイジ期で、ゴールデンエイジ期が終わる最大の理由こそこのクラムジーです。

 

ゴールデンエイジ期は、身体の成長が緩やかですので身体の感覚の変化が緩やかです。

その為、身体をコントロールする能力であるコーディネーション能力が飛躍的に伸びます。

しかし、ポストゴールデンエイジ期になると一気に身長が伸びて身体の感覚が大きく変わります、

この一気に身長が伸びることが、クラムジーの原因となります。

 

クラムジーの原因|成長期でクラムジーが起こる理由

クラムジーの原因は、爆発的な身長の伸びです。

今までよりも数センチ長い足を使ってボールを蹴る場合は、少し感覚が変わります。

軸足の長さも、蹴りだす足の長さも変わり、さらに身長が伸びていることで目線の位置も変わります。

 

ボールを蹴る動作は全身運動ですので、腕の長さや胴体の長さも影響を受けます。

この少しずつの変化に対して感覚が追いつかないと、今までの感覚でボールを蹴ると上手く蹴れません。

 

「このくらいの力でこっちに力を入れればこっちに飛ぶ」というような感覚が乱れますので、今まで簡単に出来ていたプレーができなくなります。

これはボールを蹴る動作に限らず、ボールを投げる、走るなどの様々な動作に影響します。

今まで簡単に入ったシュートが全く入らない、ジャストミートしたと思ったら空振りなど、原因不明の絶不調に陥る中学生が多くいますが、これがクラムジーです。

さらに、第二次性徴期で精神的にも不安定になると、スランプがより深刻化して悪循環に陥ります。

 

クラムジーの期間はどれくらい続く?

クラムジーの期間は、具体的にどれくらいと示すのは難しいです。

身長の伸び方などは個人差がありますので、「身長の伸びが緩やかになってしばらくするまで」がクラムジーの期間と言えます。

 

大まかにポストゴールデンエイジ期の1「3歳~15歳の中でも特に大きく身長が伸びた期間」をクラムジーが最も強く出る期間と言えます。

もちろん、クラムジーは怪我ではありませんので、ある日当然クラムジーの症状が出て、ある日突然クラムジーの症状が消えるというものではありません。

少しずつ異変が起こり、少しずつクラムジーが消えていくというものです。

 

クラムジーに陥っている選手やその関係者からすると、クラムジーがどれくらいの期間続くのか?は非常に重要な問題だと思います。

ただ、いつという目途をつけるのは非常に難しく、身長の伸びる期間や最終的に到達する伸長などを予測しない限りはクラムジーの期間も予測できません。

 

私個人の経験では、中学1年生の時点ではそこまで身長が急に伸びてはいなくて、クラムジーのようなものは感じませんでした。

中学1年生の後半から様子が変わり、中学2年生~中学3年生の前半はかなりクラムジーの影響があったように今振り返ると感じます。

中学3年生の夏で部活を引退してその後は受験勉強が本格化しましたので、その後のクラムジーの影響はよくわかりません。

 

そうすると私の場合は、クラムジーの影響は中学2年生+中学3年生の1年数か月はあったように感じます。

中学2年生の1年間で身長は10センチ以上伸びましたので、影響が強いのは当然です。

身長は最終的に約180センチですが、1年で10センチ以上身長が伸びる期間はクラムジーの影響を受けやすいと思います。

また、どれだけ長くても中学生の期間では終わると思います。

 

クラムジーの対処方法・克服方法

クラムジーの対処方法・克服方法としては、まずはクラムジーについて知るというのが大きな1歩です。

私はクラムジーについてクラムジーの期間中は知りませんでしたので、「何でこんだけ練習してるのに下手になっていくか?」と深刻に悩みました。
中学生時代は野球をしていましたが、チームスポーツですので自分1人のミスでチームが負けることもあります。

そうした経験が続き、精神的にも参ってくるというまさにクラムジーの悪循環が起こっていました。

はっきり覚えているのは、中学生時代の大会のバッティングの写真と小学生時代の大会のバッティングの写真を比較して、明らかに小学生の時の方が打てそうな雰囲気があった時は愕然としました。

 

ただ、その時自分でクラムジーという言葉と意味を知っていれば、その現状の受け止め方も変わったと思います。

もちろん、周りの指導者がクラムジーについて知っていてアドバイスをするというのが理想だと思います。

 

ただ、具体的にクラムジーを根本的に克服する方法は「身長の伸びが緩やかになる」ことです。

その為、ある程度待つしかないと言えます。

 

これは身体の成長の仕組み上は仕方がありません。

クラムジーを克服するために身長を止めようにも手段がありません。

 

「中学の大事な大会があるのにクラムジーで調子が悪いけどどうすればいい?」

 

という方は多いと思いますが、クラムジーを経験したパーソナルトレーナーの意見としては「中学の大会なんてそんなもんです。クラムジー終わって身体が出来上がった高校や大学で勝負しましょう。」という答えになります。

 

中学生という期間は1度しかなく、中学でスポーツを辞める人も多いと思います。

事実、私も中学で野球はやめました。

ただ、そこで無理をしても怪我に繋がるだけです。

 

クラムジーの期間は身体の感覚が狂うので怪我も多くなり、また成長期特有の怪我もあります。

オスグッドなどに代表される成長痛や、多くのスポーツ障害がクラムジーと同時に起こります。

 

しかし、クラムジーを越えれば身体が大きくなり、今まで出来なかったプレーができるようにもなります。

その今まで出来なかったプレーができるようになる準備期間がポストゴールデンエイジ期でありクラムジーです。

 

クラムジーは仕方がないし防げるものではないので、「クラムジーが終わってから活躍するために今は耐え時」と考えることが一番のクラムジーの克服方法であり対策方法だと思います。

 

クラムジーの影響が出やすいスポーツ

クラムジーの影響は全てのスポーツで起こります。

特に複雑な動作が多いスポーツでは大きな影響が出ます。

 

テニスのサーブ、野球のバッティングやピッチング、サッカーのキックなどは非常に複雑な動作です。

また、陸上の短距離走でも長距離走でもフォームが乱れますし、水泳も同様にフォームが乱れてクラムジーの影響は強いです。

弓道やアーチェリーなど繊細な動作のスポーツも影響を大きく受けます。

 

このように、どんなスポーツでもクラムジーの影響は大きく出ます。

クラムジーの影響を知り、それが身体の変化のどんな段階かを知ることがとても重要です。

クラムジーを越えた時、今まで出来なかったプレーができると信じてクラムジーの時期は耐えて欲しいと思います。

 

本田圭佑選手もクラムジーだったという事実

サッカー選手の本田圭佑選手も中学生時代はクラムジーに悩まされ、ガンバ大阪のジュニアユースで出場機会に恵まれずユースに進めませんでした。

 

本田圭佑「虚像と実像」(6)中1の少年を襲ったクラムジー

本田圭佑「虚像と実像」(6)中1の少年を襲ったクラムジー|日刊ゲンダイDIGITAL
ガンバ大阪ジュニアユースのコーチ陣から「走らんかい!」といくら怒鳴られても、かたくなにパスの供給役に徹した。...

 

しかし、その後は高卒ですぐに名古屋グランパスのレギュラーとなり、海外移籍を果たして日本代表の主力として活躍しています。

 

「ACミランで10番を背負い、ワールドカップで3大会連続ゴールを決めた選手が、中学生時代はクラムジーでレギュラーではなった」という事実こそ、クラムジーの難しさとそれを越えれば道が開けることを何よりも証明していると思います。

 

本田圭佑選手は、このクラムジーの時期に周りにクラムジーに理解がある指導者がいてアドバイスしてもらえていたということは凄く大きいと思います。

(本人はうんともすんとも言わなかったと書かれていますが…)

 

もし周りにクラムジーに悩む選手がいれば、ぜひこういった情報を伝えて頂ければと思います。

 

「クラムジーは成長期が終われば終わる。それまで我慢しよう。本田圭佑選手だってそうやって乗り越えた。」

 

それだけで、救われるジュニアアスリートは多いと思います。

 

この記事を書いた人
中谷圭太郎

東京の東中野・落合にあるピラティス&コンディショニングスタジオhc-life代表トレーナー。スタジオ経営、パーソナルトレーニングレッスンの傍ら、公式ブログを中心にトレーニングや健康に関する情報を発信中。

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