胸郭出口症候群(TOS)とは?リハビリ方法解説

パーソナルトレーニングで肩こり改善 怪我のリハビリ

肩こりや首こりなどの不調を訴える人は多くいます。

デスクワークが仕事の中心という人が非常に多く、運動不足などの要因も重なって肩こりの人は非常に多いと言えます。

 

肩こりだけでなく、悪化して腕が痺れるなどの症状を訴える人も中にはいます。

この腕の痺れを伴う症状は、胸郭出口症候群が疑われます。

 

また、肩こりだけでなく身体を鍛えている人にも多く見られる症状です。

プロ野球・巨人の沢村拓一投手が鍼治療のミスで神経麻痺が疑われると問題になったことがありますが、これも胸郭出口症候群であった可能性も否定できません。

そんな腕の痺れなどの症状をもたらす胸郭出口症候群の原因・治療方法・ストレッチ方法などについて解説していきます。

 

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胸郭出口症候群(TOS)とは?

胸郭出口症候群とは、腕に繋がる神経や血管を圧迫したことで起こる症状の総称です。

胸郭出口症候群を英語で言うと、Thoracic outlet syndromeとなります。

この頭文字をとってTOSと表記することもあります。

胸郭出口症候群ではかなり長いですが、TOSよりも胸郭出口症候群と言われることの方が多いように感じます。

 

こちらでは胸郭出口症候群で統一します。

胸郭出口症候群は、症候群と名が付くだけあって原因も様々で症状も様々です。

 

胸郭とは背骨・肋骨で覆われた胸の骨の集合体のことを言います。

その出口、つまり胴体と腕の繋ぎ目あたりで起こる問題ですので、胸郭出口症候群といいます。

 

胸郭出口症候群の症状

胸郭出口症候群の症状としては、腕の痺れが最も多い症状です。

常に腕が痺れている場合もあれば、特定の動きをすると痺れが出る、痺れが出るときと痺れが出ない時の差が激しいなどの症状は個人差があります。

 

「昨日は痛くて痺れが強くてどうにもならなかったのに、今日はあまり問題ない」といったことが、胸郭出口症候群ではよくあります。

 

その他、腕のむくみやこわばり、動きにくさなどの症状が出ることもあります。

胸郭出口症候群がひどくなれば、口や後頭部などにも痺れが出ることもあります。

 

このような症状は、神経に何らかの問題があることで起こる症状です。

頸椎ヘルニアや脳の問題が疑われますが、検査の結果それらに問題がない場合に胸郭出口症候群が疑われます。

 

神経は背骨から出ていますが、その背骨で問題が起こるのが頸椎ヘルニアや頚椎症です。

胸郭出口症候群は背骨を出て、腕に繋がる途中の胸郭出口、つまり胴体と腕の繋ぎ目あたりで起こります。

 

胸郭出口症候群について、日本整形外科学会ではこのように解説されています。

前腕尺側と手の小指側に沿ってうずくような、ときには刺すような痛みと、しびれ感、ビリビリ感などの感覚障害に加え、手の握力低下と細かい動作がしにくいなどの運動麻痺の症状があります。
手指の運動障害や握力低下のある例では、手内筋の萎縮(いしゅく)により手の甲の骨の間がへこみ、手のひらの小指側のもりあがり(小指球筋)がやせてきます。

鎖骨下動脈が圧迫されると、上肢の血行が悪くなって腕は白っぽくなり、痛みが生じます。鎖骨下静脈が圧迫されると、手・腕は静脈血のもどりが悪くなり青紫色になります。

日本整形外科学会「胸郭出口症候群」

「胸郭出口症候群」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる

 

胸郭出口症候群の原因

胸郭出口症候群の原因は、神経や血管の圧迫です。

 

胸郭出口(胴体と腕の繋ぎ目)あたりで神経や血管が圧迫された結果、その先の腕へスムーズに血液が流れない、神経が圧迫されて痺れや感覚異常が起こるなどが胸郭出口症候群の原因です。

 

この神経や血管を圧迫するのが、筋肉と言われています。

筋肉が圧迫すると聞くと、ボディビルダーのようなムキムキの人を想像されるかもしれません。

確かに、そういう人も多く胸郭出口症候群になります。

 

ボディビルダーに限らず、アメフト選手やラグビー選手をはじめ、上半身をかなり鍛えている人がなりやすい症状と言えます。

 

また、そこまでムキムキではなくても筋トレをしている一般トレーニーも胸郭出口症候群になる人がいます。

ただ、特に鍛えているわけではないのに胸郭出口症候群になる人もいます。

この場合は、姿勢が崩れている人が多いです。

 

いわゆる猫背の姿勢で、肩が内巻きになる巻き肩に人は胸郭出口症候群になりやすいといえます。

特に最近ではスマホ猫背、スマホ巻き肩などスマホの使いすぎで姿勢を崩す人が多くいます。

 

ただこれは鍛えている人も同じです。

筋肉のバランスが崩れ、胸の筋肉ばかりを鍛えたり、肩の柔軟性低下によって肩の位置がずれたりすると姿勢が悪い人と同じようなことが起こります。

 

血管や神経の通り道が正しく確保されていれば胸郭出口症候群は起こりませんが、姿勢のずれなどで筋肉が神経や血管を圧迫する状態になれば胸郭出口症候群の原因となります。

 

胸郭出口症候群の治療方法

胸郭出口症候群の治療方法としては、胸郭出口症候群の原因となっている要因を改善する必要があります。

猫背や巻き肩などの根本的な原因を改善することが、胸郭出口症候群の治療方法といえます。

痺れがあっても、神経に異常がある訳ではありませんので手術などではなく運動やストレッチ・マッサージなどが必要になります。

 

特に硬くなっているであろう胸の筋肉をストレッチして、正しい肩の位置に戻せるように姿勢を改善するトレーニングが必要になります。

 

胸郭出口症候群のリハビリ方法

胸郭出口症候群の改善に効果的なストレッチは、胸の筋肉のストレッチです。

寝た状態で肩を回す、鉄棒などにぶら下がるなどのストレッチが有効です。

 

また、ストレッチポールに寝るだけでも効果的なストレッチと言えます。

細かく胸郭出口症候群の原因を考えれば、姿勢全体を見直す必要があります。

胸郭は骨盤と連動して姿勢が崩れます。

骨盤が歪めば胸郭が歪み、胸郭が歪めば骨盤が歪みます。

 

ただし、現場的な感覚で言えば骨盤が先に歪んでいるケースが多く見受けられます。

その為、胸郭出口症候群と言っても根本的な原因は胸郭ではなく骨盤というケースが多いです。

実際にリハビリをする場合は、このような姿勢全体の改善が必要です。

姿勢は意識して正せるものではなく、各関節の柔軟性や筋力が正常になるようにトレーニングやストレッチが必要です。

 

そのためには、一度パーソナルトレーナーなどの専門家に詳しく身体の状態をチェックしてもらうことがおすすめです。

 

パーソナルトレーニングで怪我のリハビリをする流れはこちらから

 

この記事を書いた人
中谷圭太郎

東京の東中野・落合にあるピラティス&コンディショニングスタジオhc-life代表トレーナー。スタジオ経営、パーソナルトレーニングレッスンの傍ら、公式ブログを中心にトレーニングや健康に関する情報を発信中。

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