遊離軟骨除去手術とは?関節ねずみ(関節遊離体)の除去手術

野球肘 怪我のリハビリ

スポーツ中に多い怪我で、特に野球選手に多い遊離軟骨除去手術についてです。

この手術は、いわゆる野球肘と呼ばれる離断性骨軟骨炎という肘の怪我で出来た関節遊離体(関節ねずみ)を取り除く手術です。

 

毎年必ずと言っていい程プロ野球選手がこの肘遊離軟骨除去手術を受けます。

 

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遊離軟骨除去手術とはどんな手術?

遊離軟骨除去手術とは、肘の中に出来てしまった関節遊離体(関節ねずみ)を除去する手術です。

関節ねずみは通称・野球肘と呼ばれる怪我である肘離断性骨軟骨炎の影響で出来ます。

野球肘(離断性骨軟骨炎)の解説はこちら

 

この離断性骨軟骨炎で出来た骨の破片が、関節に引っかかって動きを制限したり、痛みを引き起こしたりします。

いわゆる関節がロックした状態になってしまうので、それを解消する為の手術が遊離軟骨除去手術です。

関節遊離体は関節に挟まったりしなければ痛みも可動域制限もありませんが、挟まってロックしてしまうと痛みや可動域制限に繋がります。

 

その為、離断性骨軟骨炎で関節ねずみが出来たら即手術ではなく、長年関節のロックや痛みに悩まされていた選手が「もう手術に踏み切ろう」ということで遊離軟骨除去手術を受けるというケースが多いです。

 

遊離軟骨除去手術自体はそこまで難しい手術ではないようです。

現在は内視鏡手術で傷も小さく抑えられ、離断性骨軟骨炎の症状が無い状態であれば、1か月程度で投球練習が再開可能です。

 

その為、プロ野球選手はオフの期間に長年悩まされた関節ねずみを取ろうということで遊離軟骨除去手術を受けて、翌シーズンには開幕から間に合わせるということもよくあります。

 

順天堂大学のホームページで、手術の詳細が解説されています。

 

約生体吸収性ピンを用いて遊離もしくは剥離した骨軟骨片を、欠損部に元通りに修復する方法で、ほとんどのケースが遊離した骨軟骨片(こつなんこつへん)を再接合させることが可能です。元の位置にあったものを元の位置に戻すという、極めて生理的(せいりてき)且つシンプルな治療方法で、正常な自家組織(じかそしき)を犠牲にする必要はありません。

 

離断性骨軟骨炎|整形外科・スポーツ診療科|順天堂医院 より一部抜粋

整形外科・スポーツ診療科|離断性骨軟骨炎|順天堂大学医学部附属順天堂医院
順天堂大学医学部附属順天堂医院 整形外科・スポーツ診療科「離断性骨軟骨炎」についてご紹介します。順天堂醫院は、一貫して患者さまに何よりもまず、やさしく、安全で高度の医療を提供すべく努力しております。

そこまで大きなリスクを伴う手術という訳ではなく、20年前からやっている手法で良好な成績を得ているとのことです。

 

関節ねずみ(関節遊離体)とは?関節ねずみの症状とは?

関節ねずみとは俗称で、正式には関節遊離体です。

関節ねずみの詳しい解説はこちら

 

これは離断性骨軟骨炎の影響で出来てしまった骨の破片のことです。

関節遊離体は文字通り遊離して、関節内をウロウロ漂っています。

 

漂って関節に挟まっては可動域制限や痛みを伴い、また漂って何も起こらないかと思えばまた痛みが出るという非常に厄介な症状です。

この関節内を漂う様子がねずみに例えられ関節ねずみと呼ばれています。

 

遊離軟骨除去手術後のリハビリ

遊離軟骨除去手術後は、特別なリハビリは必要が無いこともあります。

 

現在離断性骨軟骨炎で肘に痛みや炎症が無い場合は、肘そのものに問題が無い為、問題となっている関節ねずみさえ取り除いてしまえば怪我の心配は無くなるというのが一般的な見解です。

 

個人的にはそもそも関節遊離体が出来る時点で、肘に過度な負担がかかっていたと言えますので、やはりしっかりとしたリハビリが必要だと思います。

肘に負担がかかるということは、隣接する関節である肩関節や手首に何らかの問題があるケースがほとんどです。

 

野球選手の場合は、球関節という最も可動域が大きいはずの肩関節の可動域が低下した状態で投球を続けると、その分肘に過度なストレスがかかり続けます。

 

肘に関節遊離体が出来るほどのストレスがかかっている場合は、やはり肩の可動域をしっかり出すようなリハビリが必要だと思います。

 

肘遊離軟骨除去手術を受けたプロ野球選手一覧

肘遊離軟骨除去手術は毎年多くのプロ野球選手が受けます。

遊離軟骨除去手術を受けるのは投手の方が多いイメージですが、実は野手でも多くの選手が受けています。

 

ここでは遊離軟骨除去手術を受けたプロ野球選手をご紹介します。

 

・田中将大投手(ヤンキース) 右肘遊離軟骨除去手術 2015年

・金子千尋投手(オリックス) 右肘遊離軟骨除去手術 2014年

・柳田悠岐選手(ソフトバンク)右肘遊離軟骨除去手術 2015年

・西岡剛選手(阪神) 右肘遊離軟骨除去手術 2014年

・今宮健太選手(ソフトバンクホークス) 2016年

・小笠原慎之介投手(中日ドラゴンズ)2016年

 

肘遊離軟骨除去手術を受けたスポーツ選手一覧

野球選手以外でも、肘遊離軟骨除去手術を受けた選手はいます。

ここでは、その一部をご紹介します。

 

国枝慎吾選手(車いすテニス) 右肘遊離軟骨除去手術を受け、リオ五輪ではシングルスでメダルを獲得出来ませんでした。

 

萩野公介選手(競泳) 自転車転倒で骨折した影響で遊離軟骨が出来、リオ五輪後に除去手術を受けると発表されました。

 

この記事を書いた人
中谷圭太郎

東京の東中野・落合にあるピラティス&コンディショニングスタジオhc-life代表トレーナー。スタジオ経営、パーソナルトレーニングレッスンの傍ら、公式ブログを中心にトレーニングや健康に関する情報を発信中。

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