こちらのページでは、足関節外反捻挫について解説します。
足関節外反捻挫は足首捻挫の一種ですが、足首捻挫の中では足関節内反捻挫が最も多く起こります。
その為、足関節外反捻挫は発生頻度が低いです。
ただ、重症化しやすいので厄介な怪我と言えます。
足関節外反捻挫では、よりリハビリや治療方法の重要度が上がると言えます。
足関節外反捻挫とは?
足関節外反捻挫とは、足首捻挫の一種です。
足首捻挫とは、足首を捻ったことで起こる靱帯損傷などの怪我です。
骨折を伴うこともありますが、基本的には靱帯損傷が起こります。
足首の捻挫は、捻る方向によって大きく2つに分けられます。
1つは、最も多い足の甲が外側に向く「足関節内反捻挫」です。
ただ足首捻挫と言う場合は、基本的にこの足関節内反捻挫のことです。
これに対し、足の甲が内側に向く方向に過度に足首を捻って起こる怪我が、足関節外反捻挫です。
これは実際にやってみればわかりますが、外反方向にはあまり足首は動きません。
その為、発生頻度としては圧倒的に足関節内反捻挫の方が多いです。
足関節外反捻挫は、足首捻挫の1割程度だと思います。
足関節外反捻挫で損傷する靱帯は、「三角靱帯」という足首の内側の靱帯です。
この三角靱帯は強固な靱帯ですので、損傷することは少ないです。
ただ、この三角靱帯が損傷すると治りが悪く、厄介な怪我と言えます。
足関節外反捻挫の症状
足関節外反捻挫の症状としては、足首の内側に痛みが出ます。
足関節外反捻挫では内側の靱帯である三角靱帯を損傷していますので、この三角靱帯周囲痛みが出ます。
同時に腫れも起こりますが、足関節内反捻挫に比べると腫れの程度は少ない場合が多いです。
足関節外反捻挫の原因
足関節外反捻挫の原因は、足首を外反方向(足の甲が内側に入る動き)が強制されたことで起こります。
足関節内反捻挫に比べると、発生頻度は少ないので足関節外反捻挫が起こる動作は限られます。
足関節外反捻挫が多いスポーツに、サッカーがあります。
サッカーで足関節外反捻挫が起こる原因は、ボールを蹴る際の軸足で外反動作を強制されることがあります。
このボールを蹴る時に軸足にタックさルやスライディングを食らい、さらに外反を強制されると足関節外反捻挫の怪我が起こります。
また、ラグビーなど接触プレーが多いスポーツでも、上から足首に乗っかられた際に外反を強制されて足関節外反捻挫が起こることも多いです。
また、野球の投手でも足関節外反捻挫は起こります。
これは軸足が投げる際に外反動作を強制されることが、投手の足関節外反捻挫の原因です。
マウンドが合わない場合や、他の怪我をかばったまま投球動作を繰り返した場合に、足関節外反捻挫が起こりやすいと言えます。
足関節外反捻挫の治療方法|テーピングは有効?
足関節外反捻挫の治療方法としては、保存療法(手術をしない)と手術療法があります。
骨折を伴うなど重症の場合は、手術を選択する場合がありますが、重症でなければ手術はしない保存療法が選択されます。
手術をしない場合は、まずは安静にします。
この時に、テーピングがよく使われます。
テーピングの目的としては、足首を外反方向に動かさないように固定することです。
ただ、テーピングをしたからといっても、外反動作はゼロにはなりません。
また、動きを止めるので痛みは減りますが、足関節外反捻挫が治る訳ではありません。
テーピングをして無理をして動いて悪化ということがよくあります。
テーピングはあくまで安静にする補助や、強行出場の手助けで治療手段とは考えない方がいいと思います。
そして、痛みがある程度引いて来たらリハビリが重要です。
足関節外反捻挫のリハビリ方法
足関節外反捻挫のリハビリ方法としては、足首周りのストレッチやトレーニングが一般的です。
ただ、足関節外反捻挫が起こる原因を考えれば足首だけにアプローチをしても根本的な改善は難しいです。
下半身の動きは、基本的に足首と膝・股関節の3つの関節が連動して起こります。
この中で、最も強い筋肉があるのが股関節です。
ラグビーやサッカーでの接触プレーで起こった場合は別ですが、繰り返しの動作で三角靱帯に負担がかかって起こった足関節外反捻挫では、この股関節の筋力に何らかの問題がある場合が多いです。
サッカーでの軸足や野球の投手での軸足となる股関節の筋力の改善が、足関節外反捻挫のリハビリには特に重要と言えます。
また、接触プレーで損傷した足関節外反捻挫でも再発のリスクを下げるためには同じようにリハビリが必要です。
足首捻挫は他の大きな怪我に繋がりやすい
足関節外反捻挫は足首捻挫の一種です。
足首捻挫とは、足首を過度に捻って起こる怪我です。
足関節外反捻挫と反対側に捻って起こる捻挫は、足関節内反捻挫です。
これらの足首捻挫の怪我を放置したり、半端な改善具合で復帰すると他の怪我に繋がります。
リハビリのところでもありましたが、連動して動く膝や股関節の怪我にも繋がりやすいです。
サッカーでは、膝半月板損傷やサッカー選手の職業病と言われるグロインペイン症候群などのリスクも増えます。
野球では、軸足に問題があることで肩や肘の怪我に繋がることもあります。
野球選手の特に投手にとって肘や肩の怪我は致命的です。
野球肘(肘離断性骨軟骨炎)ではいわゆる関節ねずみが出来ますし、肘の靱帯を損傷すればトミー・ジョン手術などの大きな手術になる可能性もあります。
このように、小さな怪我が大きな怪我の引き金になることは多く、足首の捻挫はこの最初の小さな怪我になりやすいです。
このような影響が出ない為にも、しっかりと足首捻挫のリハビリをする必要があります。
足首捻挫のリハビリトレーニングに関してはこちらからご確認くださいませ。
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