膝蓋靱帯炎(ジャンパー膝)とは?膝蓋靭帯炎のリハビリ方法解説

膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)とは 怪我のリハビリ

スポーツ中に起こりやすい怪我である膝蓋靱帯炎(しつがいじんたいえん)について解説してきます。

膝蓋靱帯炎は別名が非常に多い怪我ですが、膝蓋靱帯炎の別名としては膝蓋腱炎・ジャンパー膝・ジャンパーズニーなどの呼び名があります。

 

これらは全て同じ怪我です。

膝蓋靱帯炎は、ジャンパー膝と呼ばれるようにジャンプ動作の多いスポーツで起こりやすい膝の怪我です。

 

ただストップ動作などでも起こる怪我ですので、ジャンプを多くしなくても膝蓋靱帯炎になる可能性は十分にあります。

 

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膝蓋靱帯炎の別名は?ジャンパー膝・膝蓋腱炎など

膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)とは

「膝蓋靱帯炎」という怪我は、別名が多く表記が難しい怪我です。

膝蓋靱帯炎の別名は、「ジャンパー膝」「ジャンパーズニー」「膝蓋腱炎」など多くの呼び方があります。

これらの呼び方は全て同じ怪我です。

 

膝蓋靱帯とは膝のお皿の下にある靱帯のことで、腱のように強固な靱帯です。

 

その為、この組織は膝蓋腱とも呼ばれることがあり、ここの怪我も膝蓋靱帯炎・膝蓋腱炎と呼び名が複数存在してしまいます。

 

そしてただでさえややこしい怪我なうえに読み方も難しいですが、「膝蓋靱帯炎」の読み方は「しつがいじんたいえん」です。

こちらのページでは、膝蓋靱帯炎で統一して表記しますが、ジャンパー膝・膝蓋腱炎とイコールと思って頂いて問題ありません。

 

膝蓋靱帯炎の症状

膝蓋靱帯炎とは、膝のお皿の下にある強固な靱帯である膝蓋靱帯の炎症です。

スポーツ中に起こりやすい膝の怪我の種類の1つです。

膝蓋靱帯炎は別名「ジャンパー膝」と呼ばれることもあるように、ジャンプ動作で負傷しやすい怪我です。

 

その為、バスケットボール・バドミントン・バスケットボールなどで起こりやすい怪我と言えます。

ジャンプ動作と言ってもジャンプの着地動作で負担がかかりやすい怪我ですので、ストップ動作でも同じような負担がかかります。

 

その為、サッカー・ラグビー・アメフト・ハンドボールのようなストップ動作や切り返し動作の多いスポーツでもよく起こる怪我です。

 

膝蓋靱帯とは膝のお皿の下にある靱帯ですが、ここは大腿四頭筋肉という太ももの筋肉に繋がっています。

この大腿四頭筋が過度に使われるオーバーユースが起こることで、膝蓋靱帯炎の怪我が起こります。

 

膝蓋靱帯炎の症状としては、膝蓋骨という膝のお皿の下あたりの痛みが出ます。

最初はジャンプの着地時のみ痛みが出るケースが多いですが、徐々にランニングやジャンプの飛ぶ前の動作などでも痛みが出てくるようになります。

 

膝蓋骨の下に腫れや熱感(熱くなる)などの症状が出てくることもありますが、その場合は膝蓋靱帯炎の症状がかなり強いと言えます。

 

膝蓋靱帯炎の原因

膝蓋靱帯炎の原因は、一言でいえばオーバーユース(使い過ぎ)です。

これはスポーツ障害の一つですので、運動のし過ぎや負担のかかり過ぎで起こる怪我です。

スポーツ障害の解説はこちら

 

特に膝蓋靱帯炎は10代のスポーツを行う学生に多くみられ、男性の方が比較的起こりやすい怪我です。

 

部活動でバレーボールやバスケットボールなどのジャンプ動作が多いスポーツを行い、その運動強度が高すぎたり、休みが少なかったり、大腿四頭筋や膝蓋靱帯に過度な負担がかかる動きの癖があると膝蓋靱帯炎の原因となります。

 

膝蓋靭帯炎のメカニズムについて、お医者さんの説明を引用しておきます。

 

ジャンパー膝(膝蓋腱炎(膝蓋靭帯炎)/大腿四頭筋腱付着部炎)の発症メカニズム
1.ジャンプやダッシュなどによる膝関節の屈伸動作を頻繁に、かつ長時間にわたって行うことにより、膝蓋腱に繰り返しの過度な伸張ストレスがかかり、微小な損傷が腱線維に生じ、炎症症状が引き起こされ、力学的な脆弱性、腱の変性がもたらされます。

2.膝蓋腱周囲に新生血管の増生や炎症性のサイトカイン(細胞から分泌されるタンパク質)の放出が局所で起こり、腱の変性へと至リます。

3.着地時などでKnee in(膝が内側に入る動き)傾向になると膝蓋腱内側にねじれを伴った伸張ストレスが加わり、さらに屈曲が増すにつれて同部位への伸張ストレスも増大し疼痛につながります。

 

Dr.KAKUKOスポーツクリニック ジャンパー膝(膝蓋腱炎)

Dr.KAKUKO Sports Clinic
医師 中村格子が院長を務める、東京・渋谷・代官山のスポーツ整形外科「Dr.KAKUKO スポーツ クリニック/Dr.KAKUKO Sports Clinic」の概要をご説明いたします。

基本的には使い過ぎで起こるということですが、さらに正しい動きが出来ていないと負荷が増すのは間違いなさそうです。

 

さらに、膝蓋靱帯炎は成長期に多い怪我ですので、身長が急激に伸びている際に起こりやすいと言えます。

人間の成長過程では、先に骨が伸びてそれに続く形で筋肉が伸びます。

 

成長期では骨の成長に筋肉がついていかず、相対的に筋肉がかなり固く短くなる状態が生まれます。

この状態で過度な負担がかかると、膝蓋靱帯炎の原因となります。

 

成長期の怪我として有名なオスグッドもこの膝のお皿の下に痛みが出ますが、オスグッドは骨に問題が起こります。

膝蓋靱帯炎もオスグッドも怪我の原因としては似ていますが、骨に問題が起こるのがオスグッドで、靱帯に問題が起こるのが膝蓋靱帯炎と言えます。

 

膝蓋靱帯炎の治療方法

膝蓋靱帯炎の治療法としては、基本的には安静にします。

膝蓋靱帯炎の原因がオーバーユースですので、オーバーユースが無くなれば痛みは減ります。

 

ただ、太ももの前側の筋肉である大腿四頭筋の短縮も膝蓋靱帯炎の原因となるため、治療法としては、大腿四頭筋のストレッチも併せて行われます。

 

また、膝蓋靱帯炎の程度が軽ければアイシングの処置やサポーター・装具の使用などで痛みが減る場合があります。

それでも膝蓋靱帯に負担がかかる状態が変わらなければ徐々に膝蓋靱帯炎の症状が悪化していきますので、しっかりとリハビリを行う必要があります。

 

膝蓋靱帯炎の症状が重く、膝蓋靱帯の断裂が見られる場合は手術となる可能性があります。

膝蓋靱帯炎で手術となるケースは少ないですが、サッカー選手の内田篤人選手が膝蓋靱帯炎の手術を行ったことで有名です。

内田篤人選手は復帰までかなり時間がかかっていますので、膝蓋靱帯炎で手術となる場合は相当な重症と言えそうです。

 

また、内田篤人選手のケースでもそうですが、膝蓋靱帯炎につながる前に他の怪我がある場合が多いです。

特に足首怪我や膝の怪我、太ももの怪我などが膝蓋靱帯炎の原因となるケースが多く、ハムストリングス肉離れ、足関節内反捻挫、膝半月板損傷などの怪我後には膝蓋靱帯炎に注意が必要です。

 

また、大腿四頭筋の柔軟性がいくら上がっても大腿四頭筋に過度な負担がかかる動きの癖が変わらなければ膝蓋靱帯炎の根本的な解決にはつながりません。

その為、痛みが引いたらリハビリを行い、膝蓋靱帯炎の再発を防ぐ必要があります。

 

膝蓋靱帯炎のリハビリ方法

膝蓋靱帯炎のリハビリ方法としては、膝蓋靱帯に過度な負担をかけないようにすることが必要です。

膝蓋靱帯炎になる原因に、太もも前の筋肉である大腿四頭筋への過度な負担が挙げられます。

 

大腿四頭筋は股関節と膝関節を動かす二関節筋と呼ばれる筋肉です。

股関節がうまく動かずに、膝関節が過度に動くと結果的に大腿四頭筋に過度な負担がかかります。

つまり、股関節の動きをスムーズにすることで膝蓋靱帯炎のリハビリとなります。

 

特に股関節の屈曲動作がスムーズにでき、可動域がしっかり確保出来れば膝蓋靱帯炎のリスクを軽減できます。

股関節の屈曲動作がうまくできないと、いわゆるスクワットの動作で股関節でなく膝関節が優位に働き膝蓋靱帯に過度なストレスがかかります。

 

このような動作パターンでジャンプの着地やストップ動作を繰り返していると、膝蓋靱帯炎の原因となります。

膝蓋靱帯炎のリハビリは身体の柔軟性や筋力などをしっかり分析してから行うことで、安全かつ効果的にリハビリを行えます。

 

膝蓋靱帯炎のリハビリはパーソナルトレーナーや理学療法士など身体の専門家の指導のもと行うことがお勧めです。

 

膝蓋靱帯炎の怪我をしたスポーツ選手一覧

膝蓋靱帯炎は10代の学生アスリートに多くみられる怪我ですが、スポーツ選手にも見られる怪我です。

特にバスケットボール・バレーボール・サッカーなどのスポーツで見られます。

 

こちらでは、膝蓋靱帯炎になったスポーツ選手をご紹介します。

 

サッカー・内田篤人選手 右膝膝蓋靱帯炎で手術 1年半試合に出場できず

フィギュアスケート・浅田真央選手 左膝の怪我でトリプルアクセル回避。膝蓋靱帯炎の可能性が高そうです

 

この記事を書いた人
中谷圭太郎

東京の東中野・落合にあるピラティス&コンディショニングスタジオhc-life代表トレーナー。スタジオ経営、パーソナルトレーニングレッスンの傍ら、公式ブログを中心にトレーニングや健康に関する情報を発信中。

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