腰椎圧迫骨折とは?腰椎圧迫骨折のリハビリ方法解説

腰椎圧迫骨折とは?症状・原因・治療方法・リハビリなど 腰痛のリハビリ

女性や高齢者に多い腰椎圧迫骨折について解説していきます。

基本的には若い人には起こらない怪我ですが、スポーツ中の激しい接触や転倒などで起こる場合もあります。

 

腰の痛みの中では、かなり重症の怪我ですのでリハビリや治療に十分注意が必要です。

 

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腰椎圧迫骨折とは?

腰椎圧迫骨折とは?症状・原因・治療方法・リハビリなど

腰椎圧迫骨折とは、背骨の骨折です。

背骨は積み木のように積み重なる構造をしていますが、その中で頸部の背骨を頸椎、胸の部分を胸椎、腰の部分を腰椎と分類します。

 

腰椎圧迫骨折とは、この腰椎部分の骨折です。

圧迫骨折というのは、外からの強い力で腰椎の椎体という部分がつぶされて起こる骨折です。

 

骨折というとイメージとしては、足の指などを直接ぶつけて強い衝撃が起こって骨折というイメージが強いと思いますが、この圧迫骨折はつぶされる力で骨折しますので力の加わり方が違います。

 

外からの強い衝撃の加わり方は様々で、転倒や事故などで激しくぶつけたり打ち付けられるようにして起こる腰椎圧迫骨折もあります。

 

また、骨粗鬆症などで骨がもろくなっていると、軽い転倒やひどい場合はくしゃみなどでも腰椎圧迫骨折は起こります。

また、腰椎圧迫骨折が起こりやすい背骨の部位は胸椎の11番・12番・腰椎1番あたりで多いと言われています。

 

背骨は頸椎が7個、胸椎が12個、腰椎が5個で出来ていますが、その中で胸椎の一番下から腰椎の一番上のあたりで最も圧迫骨折が起こりやすいと言われています。

この腰椎の1番目で起こる圧迫骨折を「第一腰椎圧迫骨折」と表現することもあります。

 

腰椎圧迫骨折の原因

腰椎圧迫骨折の原因は、外からの強い衝撃です。

この強い衝撃の基準は、骨の強度により異なります。

 

その為、強い骨であれば何ともないような軽い転倒やくしゃみや咳なども、骨粗鬆症の人からすると強い衝撃となります。

このような理由で、腰椎圧迫骨折と骨粗鬆症は深い関係があります。

 

骨粗鬆症は女性の高齢者に多いため、必然的に腰椎圧迫骨折も女性の高齢者に多い怪我です。

 

ただ、女性の高齢者以外でも腰椎圧迫骨折は起こります。

どれだけ骨が丈夫でも、それを上回る強い衝撃が加われば圧迫骨折は起こります。

 

その為、若いスポーツ選手でも腰椎圧迫骨折は起こります。

若いスポーツ選手で腰椎圧迫骨折が起こる場合は激しい転倒や激しい接触プレーなどで起こります。

自転車競技での転倒や、体操など高いところからの転倒などではこのような腰椎圧迫骨折が起こりやすいと言えます。

 

具体的な腰椎圧迫骨折の原因となるものは、「転倒」「転落」「くしゃみ」「咳」などですが、やはり骨の強度の問題が腰椎圧迫骨折には密接に関係しています。

 

その為、骨粗鬆症が腰椎圧迫骨折の原因という方が適切なケースは多いと思います。

 

腰椎圧迫骨折はスポーツ中にも起こる?

腰椎圧迫骨折は骨粗鬆症との関係が深いですので、高齢者の腰痛というイメージが強い方もいると思います。

ただ、強い衝撃が加われば年齢も性別も関係なく腰椎圧迫骨折は起こります。

 

特に腰椎圧迫骨折が多い女性の高齢者とは真逆の若い男性でも腰椎圧迫骨折は起こります。

若い男性の腰椎圧迫骨折の場合は、スポーツ中の激しい接触や激しい転倒、交通事故などで起こる場合が多いです。

 

肋骨の骨折などは、比較的軽い衝撃でも起こりますが、腰椎圧迫骨折は本当に強い衝撃でないとあまり起こりません。

その為、「素人目で見ても今の怪我はかなり危険ではないか」というような高いところからの落下や転落、強く固い場所に打ち付けられるような自転車レースなどでの転倒などで起こります。

 

トライアスロンのバイクなどは、速度も速いうえにそこまで重装備をしているわけではありません。

このような状態で固いコンクリートにバランスを崩して転倒して腰を強打すると、若い男性でも腰椎圧迫骨折は起こり得ます。

 

腰椎圧迫骨折の症状

腰椎圧迫骨折の症状としては、激しい痛みがあります。

非常に痛みが強く、寝返りもまともに打てないような強い痛みが出ることが多いです。

 

基本的には腰椎圧迫骨折の症状は動いたときに起こりますので、安静にしていれば痛みが出ないことが多いです。

ただ、寝返りや少しかがむと言った特別負担がなさそうな動きでも痛みが出ますので、非常につらい症状と言えます。

 

また、重症の腰椎圧迫骨折の場合は骨折した骨の破片が神経を圧迫する場合があります。

そうなると、症状が加わり足の痺れや痛みなども起こります。

 

これは、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛も同じような症状ですので、症状だけでは区別がつかないこともあります。

ただ、レントゲン検査で腰椎圧迫骨折はすぐにわかりますので、このような強い痛みが出た場合はまず医師の診断を受ける必要があります。

 

特に足の痺れなどの症状が出た場合は、放っておいて良くなるものでもないのですぐに医師の診断を仰ぎましょう。

 

腰椎圧迫骨折の治療方法|コルセットは固めが効果的?

腰椎圧迫骨折の治療方法としては、初期は安静にするしかありません。

寝返りを打つと激痛が走るくらいの状態ですので、しんどいですがあるべく動かさずに安静にします。

 

安静にする際は患部である腰を固定する必要がありますが、腰椎圧迫骨折での固定にはコルセットが使われます。

このコルセットは柔らかい素材よりも固めのコルセットが効果的です。

 

まだ腰椎を圧迫骨折してすぐは骨が変形しやすく、しっかりコルセットで固定することで変形を防ぎます。

腰椎圧迫骨折で骨折した骨がしっかりくっつくまでは3~4週間程度かかると言われていますので、その期間はなるべく安静にして固定しておきます。

 

ただ問題はその後です、丸1日寝ているだけでも筋力はかなり落ちると言われていますので、3~4週間も安静にしていたらかなりの筋力が落ちます。

これが腕の骨折であれば、下半身は動いていますので落ちる筋力は腕だけです。

 

このような場合は逆の腕に比べて相当細くなりますが、腰椎圧迫骨折であれば体幹が動かせませんので全身の筋力がかなり落ちます。

日常生活を送るだけでも相当疲れるくらいの筋力低下がありますので、腰椎圧迫骨折で安静にした後はリハビリが重要です。

 

腰椎圧迫骨折のリハビリ方法

腰椎圧迫骨折のリハビリ方法としては、まずは全身の落ちた筋力を戻す必要があります。

特に体幹と言われる胴体部分の筋力が非常に落ちています。

まずは軽い負荷からリハビリを始めますが、徐々に強度を上げていきます。

軽い負荷のうちは、筋力が相当落ちている状態ですので、それが理由で腰が痛くなることも多いです。

 

腰椎圧迫骨折でかなり腰が痛い状態が続いた後ですので、かなり気になることが多いと思いますが腰椎圧迫骨折が原因の痛みではありません。

少しずつ体幹や下半身の筋力を戻して、日常生活で疲れないレベルにまで復帰したら今度は再発を防ぐリハビリに目的が変わります。

 

これは腰椎圧迫骨折に至った原因にもよりますが、まずは腰部周辺の筋力強化は必要です。

腰を支えるのは腹横筋などのインナーユニットと言われるお腹の中側の筋肉と、外側の腹斜筋などの筋肉の両方が必要になります。

 

また、転倒を防ぐ意味でも下半身の筋力強化は必要です。

多くの方は、股関節周りの筋力が低下していることがあり片足立ちでしっかり止まることが出来ません。

そうなると転倒のリスクも増えますので、バランストレーニングの前に筋力強化です。

その後バランストレーニングを行うことでより効果的なリハビリとなります。

 

また、骨粗鬆症が原因で腰椎圧迫骨折が起こった場合はその対策も必要です。

薬などもありますが、栄養の問題や運動の問題もあります。

骨の原料はカルシウムですが、同時にビタミンDやマグネシウムなどの摂取も必要です。

 

また、骨は振動が加わることで強化されますのでウォーキングやジョギングなどが有効です。

これらの骨粗鬆症の改善も、骨粗鬆症が原因で腰椎圧迫骨折が起こった場合は、腰椎圧迫骨折の再発予防には重要です。

 

腰椎圧迫骨折に近い症状の腰痛

腰椎圧迫骨折は強い衝撃が加わって起こりますので、慢性的な症状である腰痛とは区別がつきやすいです。

ところが、症状がすぐに出ない腰椎圧迫骨折や気づかないうちに起こっている腰椎圧迫骨折も中にはあります。

 

また、腰椎圧迫骨折に近いような症状もあります。

ここではそのような腰痛についてご紹介します。

 

腰椎椎間板ヘルニア

足の痺れなどの症状が出るので、腰椎圧迫骨折と症状が重なる部分があります。

 

・坐骨神経痛

同じく足の痺れなどの症状が腰椎圧迫骨折と似ています。

 

・梨状筋症候群

坐骨神経痛の原因となる梨状筋症候群も、やはり足の痺れなどの症状があります。

 

この記事を書いた人
中谷圭太郎

東京の東中野・落合にあるピラティス&コンディショニングスタジオhc-life代表トレーナー。スタジオ経営、パーソナルトレーニングレッスンの傍ら、公式ブログを中心にトレーニングや健康に関する情報を発信中。

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