スポーツ中に多い怪我やスポーツ障害についてご紹介しています。
こちらのページでは、下駄骨折についてご紹介します。
下駄骨折は「下駄履き骨折」「第5中足骨基底部骨折」とも言いますが、表現が違っても全て同じ怪我を指しています。
同じような怪我でジョーンズ骨折という怪我がありますが、これは同じ第5中足骨の骨折ですが、骨折の起こる場所が違います。
基底部という足首側で骨折が起こるのが下駄骨折、もう少しつま先側の骨幹部で起こる骨折をジョーンズ骨折と言います。
こちらでは下駄骨折について解説していきます。
下駄骨折(下駄履き骨折)とは?
下駄骨折とは、主に足首の捻挫に伴って起こる第5中足骨(足の小指)の骨折です。
下駄骨折とも下駄履き骨折とも言いますが、意味は同じです。
足の指は正式には親指・小指などの呼び方ではなく、第1指、第2指と呼びます。
その為、第5中足骨とは小指の骨です。
足首の捻挫は、足首の靱帯を損傷することが多い怪我ですが骨折を伴う場合もあります。
この足首捻挫(足関節内反捻挫)で骨折を伴う時に下駄骨折が起こります。
昔は下駄を履いた状態で転倒して足首を捻挫した際に起こりやすかったので、「下駄骨折」「下駄履き骨折」と呼ばれていますが、下駄を履いていなくても下駄骨折は起こります。
最近では、ヒールで転倒すると下駄骨折のリスクが高いと言えます。
下駄骨折とは俗称ですので、正式には「第5中足骨基底部骨折」と言います。
ややこしい名前ですので、こちらの記事では下駄骨折で統一させて頂きます。
下駄骨折と同じ第5中足骨骨折には、ジョーンズ骨折という骨折もあります。
ジョーンズ骨折とは、第5中足骨に繰り返しストレスがかかった結果起こる疲労骨折です。
その為、同じ骨の骨折でも違う怪我と考えた方がいいです。
下駄骨折の症状
下駄骨折の症状としては、怪我をした直後から強い痛みと腫れが起こります。
特に足の外側に強い痛みと腫れが起こります。
内出血も起こり、青紫色に変色して明らかに何か異常が起こっているのが分かるような症状です。
基本的には自力で歩けないような症状です。
また、同時に足首の靱帯損傷も起こっている可能性があるので足首にも腫れや痛みが出る可能性もあります。
捻挫だけでも重症であれば自力で歩行は不可能ですので、受傷直後には下駄骨折か重症の捻挫か分からないことも多いです。
ただ、重症の捻挫の場合はこの下駄骨折の可能性も考えて一度整形外科でレントゲン検査を受けるべきです。
下駄骨折の診断はレントゲン検査
下駄骨折になったかどうかは、最終的には医師の診断によって決まります。
下駄骨折かどうかの診断は、医師によるレントゲン検査で決まります。
骨折の場合は明らかに異常が分かり、痛みや腫れが相当強く出ます。
その為、恐らく骨折であろうということは素人目でも明らかな時が多いです。
しかし、骨折が疑われる場合は医師の診断を受けることをお勧めします。
下駄骨折が疑われる場合は、整形外科もしくはスポーツ整形を受診します。
骨折かどうか判断が難しい場合にも、レントゲン撮影をして骨折の有無を判断します。
どちらにしても、下駄骨折が疑われる場合は整形外科かスポーツ整形を受診しましょう。
下駄骨折の原因
下駄骨折の原因としては、前側に体重が掛かった状態で足首を捻ることで起こります。
足首捻挫の原因と同じで、それにプラスして前へ重心がかかっていると下駄骨折の原因となります。
前に重心がかかると、前足の一番外側にある第5中足骨に強い負担がかかります。
その負担に骨が耐えきれなくなると、第5中足骨の骨折が起こります。
具体的な動作としては、転倒が下駄骨折の原因と言えます。
足首の捻挫は、足を踏み外して足首を内側に捻った状態で上から体重が掛かると起こります。
普通に歩いていれば起こりませんが、転倒や何かにぶつかった状態でバランスを崩した転倒などで起こります。
スポーツ中に起こる下駄骨折では、相手選手と接触してバランスを崩した状態での転倒や、ジャンプ中にバランスを崩した着地で下駄骨折が起こります。
日常生活でも、階段でバランスを崩したりヒールや下駄など不安定な靴で転倒した際に下駄骨折が起こります。
もちろん下駄を履いていれば下駄骨折の可能性もありますが、最近では下駄よりもヒールの方が多いでしょう。
下駄骨折の全治
下駄骨折の全治は、スポーツへの完全復帰と考えると3か月くらいはかかる場合が多いです。
ギブスがとれるまでで約1か月、走るなどの強い負担をかけて大丈夫な状態になるまでもう1か月くらいは見た方がいいと思います。
また、手術をするかどうかでも下駄骨折の全治は異なります。
手術をする場合は、もう少し長く完治まで期間が必要になります。
ただこれはあくまでも目安ですので、担当医の判断を仰いだ方がいいです。
足の骨折ですので、無理に復帰を急げるような怪我ではありません。
かばったままの動きでは、膝への負担が大きくなりますので、急いで無理に復帰すれば半月板損傷や膝内側側副靭帯損傷など膝の大きな怪我に繋がる可能性も考えられます。
また、骨が治りかけで悪化する可能性も考えられます。
足の骨折は完全に負荷をかけないという安静が非常に難しいので、どうしても治りが悪い怪我です。
焦る気持ちになるのは仕方がないことですが、焦って悪化するリスクがあることは忘れてはいけません!
下駄骨折の治療方法
下駄骨折の治療方法にはギブス固定による治療方法と、手術療法があります。
基本的には手術をしない保存療法になりますが、骨折で骨が強く崩れている場合は手術の可能性があります。
ギブス固定期間は1か月近くかかりますので、下駄骨折後は当面安静固定が必要です。
松葉杖を使って患部に荷重をかけないようにする必要があることも多いです。
この下駄骨折の治療による固定期間で、足の筋力や柔軟性は大きく低下します。
これはある程度仕方ないですので、下駄骨折が治った後にはしっかりとリハビリで筋力や柔軟性を回復させる必要があります。
下駄骨折のリハビリ方法
下駄骨折のリハビリ方法としては、まずは失った下半身の筋力や柔軟性を回復させる必要があります。
ギブス固定期間が1か月近くあれば、筋力や柔軟性は大きく低下しています。
左右の足の太さもかなり差が出ているはずですので、まずは荷重をしない(体重をかけない状態)から筋力を戻すようなリハビリトレーニングを開始していきます。
徐々に体重をかけた状態で負荷をかけていき、まずは歩けるようにリハビリしていきます
歩けるようになったら、徐々に走る・跳ぶなどの強度を上げていきます。
特に下駄骨折の怪我をした転倒を再度しないように、着地の動作が重要になります。
着地でバランスを崩さないようにするには、筋力が必要です。
これは足首周りでなく、股関節周りの筋力が重要です。
股関節の筋肉は身体の中でも特に強い筋肉で、お尻の筋肉である大殿筋や中殿筋、太ももの筋肉である内転筋やハムストリングス、大腿四頭筋などがしっかり働くことで着地やストップ動作が安定して転倒のリスクが減ります。
この筋力強化には、現状の筋力バランスの分析や動作分析などを経てその状態にあったトレーニングが必要です。
パーソナルトレーニングでは、筋力や柔軟性のチェック・動作分析からスタビリティ・トレーニングまで一貫して行えます。
スポーツに復帰できるような状態になってから、再発予防のためのリハビリトレーニングにはパーソナルトレーニングが有効です。
三遊亭小遊三さんの下駄骨折
2020年3月15日の日本テレビ「笑点」で、三遊亭小遊三さんが足を骨折していたことを公表しました。
これが、下駄骨折だったようです。
「足をひっくり返しちゃって。捻挫かと思って病院でレントゲンを撮ったら骨折してました」
「げた骨折という昔からある骨折方法だそうで。立ったり座ったりがちょっとできない。今週はざぶとん、いりません」
サンスポ.com 三遊亭小遊三が「笑点」で骨折告白、6月の聖火ランナーは大丈夫
三遊亭小遊三が「笑点」で骨折告白、6月の聖火ランナーは大丈夫落語家、三遊亭小遊三(73)が右足中足骨(甲部分)を骨折していたことが15日、分かった。
小遊三さんのコメントの通り、捻挫かと思ってレントゲンを撮ったら実は骨折でしたという典型的な下駄骨折のパターンのようです。
下駄骨折をした正確な日時は分かりませんが、3月の上旬に負傷したのではないかと思いますので、6月末の聖火リレーはギリギリ間に合いそうではあります。
ただ、残念ながら新型コロナウイルスの影響で聖火リレーは延期になりました。
このような形で、いつ誰が下駄骨折をしてもおかしくないという、改めて下駄骨折の怖さを感じるニュースです。
小遊三さんは明るくネタにしてますが、実際は相当な痛みがあったと思います。
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