骨折とは?骨折のリハビリ方法解説

骨折とは?種類・症状・リハビリ・治療などを解説 怪我のリハビリ

こちらのページでは、骨折全般についてご紹介してきます。

 

骨折は全身の骨全てで起こる可能性のある怪我ですが、特に骨折が多い部位など骨折しやすい部位と骨折しにくい部位があります。

 

また、疲労骨折や亀裂骨折など骨折の種類も様々です。

ここでは、骨折の種類や骨折の起こりやすい部位、症状やリハビリ方法をご紹介します。

 

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骨折とは?

骨折とは?種類・症状・リハビリ・治療などを解説

骨折とは文字通り骨が折れた状態です。

骨折の定義としては

「直接外力や介達外力により骨が変形し、破壊を起こす外傷であり、骨の構造上の連続性が絶たれた状態のことである」

ウィキペディア参照

骨折 - Wikipedia

となっています。

骨折は全ての骨で起こる可能性があり、部位によっても名称が異なります。

 

また、骨折の起こり方によっても様々な種類に分類されます。

 

骨折の種類や分類

骨折の種類や分類方法は、骨折の原因や部位、開放性などによってことなります。

その為、骨折の分類方法自体がまず多いと言えます。

 

原因による骨折の分類

・外傷骨折

・疲労骨折

・病的骨折

 

外傷骨折とは、最も一般的な骨折です。

 

事故やスポーツ中に転倒や相手選手との接触、フェンスなどへの接触で起こる骨折は全てこの外傷骨折です。

また日常生活でも転倒や何かにぶつけて骨折することがありますが、それらの骨折も外傷骨折です。

 

疲労骨折とは、1回の強い外力ではなく繰り返しの負荷に骨が耐えられずに起こる骨折です。

日常生活で起こるというよりは、スポーツ中に起こりやすい骨折と言えます。

代表的な疲労骨折としては、腰椎の疲労骨折や第5中足骨骨折などが挙げられます。

第5中足骨骨折はサッカー選手に多い骨折です。

 

病的骨折とは、最終的には外力が加わり骨折をするものの病的な原因があって起こる骨折のことです。

具体的には、骨肉腫や多発性骨髄腫などいわゆる骨のがんと呼ばれるものです。

これらが原因で骨が弱くなった状態で外力が加わり骨折することを、病的骨折と言います。

 

部位による骨折の分類

・骨幹部骨折

・骨端部骨折

・関節骨折

 

これは骨のどの部位が骨折するかによる骨折の分類です。

 

骨幹部骨折とは、骨の中央部分の骨折です。

骨端部骨折とは、骨の端の部分で起こる骨折です。

骨端部骨折の中でも、身体の中心から遠い方の端の骨折を「遠位端骨折」、身体の中心に近い方の骨折を「近位端骨折」と言います。

 

関節骨折とは関節部における骨折のことで、いわゆる脱臼骨折と呼ばれる骨折はこの関節骨折に分類されます。

 

完全性による骨折の分類

・完全骨折

・不全骨折

 

完全骨折とは、文字通り完全に骨折している状態です。

特に何も言わずに「骨折」とだけ言われる場合は、この完全骨折のことを指します。

 

不全骨折とは、いわゆる骨にヒビが入った状態の「亀裂骨折」や、外見上は変化がない骨の中での損傷の「骨膜下骨折」などがあります。

先ほどの疲労骨折は、この不全骨折である場合が多いです。

 

開放性による骨折の分類

・開放性骨折

・閉鎖性骨折(非開放性骨折)

 

開放性骨折とは、骨が飛び出してしまっている状態の骨折です。

この場合は出血量も多く、細菌感染の可能性もあり緊急手術の適応となります。

 

スポーツ中に起こりやすい骨折の種類

骨折は全ての骨折で起こるとはいえ、スポーツ中に起こりやすい骨折の種類は意外と絞られます。

ここではスポーツ中に起こりやすい骨折の種類をご紹介します。

 

第5中足骨骨折

第5中足骨骨折とは、いわゆる足の小指です。

第5中足骨骨折はサッカー選手の職業病とも呼ばれ、サッカー選手に多い骨折です。

 

第5中足骨骨折の中でも、骨幹部骨折をジョーンズ骨折(Jones骨折)と呼び、基底部骨折を下駄骨折(下駄ばき骨折)と呼びます。

 

肋骨骨折

肋骨は左右に12本ずつありますが、骨の多さや内臓を守るという役割もあり骨折が多い部位です。

様々なスポーツで起こり、ぶつけた際に起こることが多い骨折です。

また、骨粗鬆症などがあればくしゃみや咳でも肋骨骨折は起こります。

 

有鈎骨骨折

手首の骨の1つである有鈎骨の骨折は野球選手やテニス選手、バドミントン選手などに凝りやすい骨折です。

野球のバッドのグリップや、テニスラケットのグリップがちょうどこの有鈎骨にあたるので、疲労骨折で起こりやすい骨折です。

 

日常生活ではあまり多い骨折ではありませんが、野球のバットなど特殊な条件によって起こりやすくなった骨折と言えます。

 

骨折の起こりやすい部位の統計

骨折の起こりやすい部位は、やはり偏りがあります。

そんな骨折の起こりやすい部位の統計も発表されていますが、年齢により大きく異なります。

 

また統計のデータによっても異なりますので、大まかな骨折の起こりやすい部位をご紹介します。

高齢者の場合の骨折が起こりやすい部位は、大腿骨(太もも)・橈骨(手首)・上腕骨(腕)・脊柱(背骨)が多いと言われています。

 

これらの多くは転倒によって起こります。

高齢者で特に気を付けたいのは転倒での下半身の骨折で、長期間歩けずに入院していると認知症を発症しやすくもなります。

また、子供の場合は腕や鎖骨の骨折が多く、こちらも転倒による骨折が多いです。

 

骨折の症状

骨折の症状としては、まずは激しい痛みがあります。

過去に経験した一番の痛みで骨折を挙げる人も多いと思いますが、それくらい痛みが伴います。

 

また、腫れや変形も起こりますのではっきりと骨折したとわかりやすいものが多いです。

ただ不全骨折などの場合は、変形が少なく打撲のような怪我でも腫れや痛みは出るので辺別が難しい骨折もあります。

 

骨折はレントゲン診断ではっきりわかりますので、判別が難しい場合はレントゲン診断が必要になります。

骨折の症状は他にも動かせなくなる症状があります。

この症状も打撲などでも起こるので、やはりレントゲン診断が必要です。

 

骨折の症状について、日本整形外科学会ホームページではこのように解説されています。

骨とその周囲は神経と血管が豊富ですので、骨折するとその部位に痛みと腫脹が出現します。骨折がひどい場合は、動かせなくなったり、外見が変形したりします。しかし、単なる打撲や関節脱臼でも似た症状が出るので、診断をはっきりさせるにはX線(レントゲン)写真を撮ります。

日本整形外科学会ホームページ参照

「骨折」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる

 

骨折の原因

骨折の原因は、外からの強い力です。

強い力に骨が耐えきれず折れてしまうのが骨折です。

その為、骨の強度によって骨折の起こりやすさは変わります。

 

骨粗鬆症という、高齢の女性に多い症状があると骨折の原因となります。

 

また、力の加わり方も色々あり直接骨に力が加わるものを「直接外力」、どこか別の骨を介して加わる力を介達外力と言います。

腰椎圧迫骨折などは、介達外力で起こる骨折です。

腰椎圧迫骨折の解説はこちら

 

骨折の全治の目安

骨折は、部位や種類によって全治が異なります。

いわゆる完全骨折の場合は、全治2~3か月であることが多いと思います。

 

ただこれも骨折がどの部位で起こっているかによっても異なりますので、あくまで目安です。

また、不全骨折の場合はもっと全治が短いことが多いですので、1か月くらいで治る骨折もあります。

 

このように骨折の全治はかなり大きく差が出ますので、骨折の全治の目安はあまりあてになりませんが、あえて言えば「全治2~3か月」という場合が多いと思います。

 

骨折の治療方法

骨折の治療方法としては、安静にします。

安静にする際に、しっかり固定して骨がくっつきやすい状態を作ることが重要です。

 

その為に、骨折の場合はギブスなどで固定します。

 

また、骨折で位置がずれてしまっている場合は手術でボルトなどを用いて固定することもあります。

どちらにしろ、骨折の場合は安静・固定が必要です。

 

その為、骨折のあとは筋力や柔軟性などの低下が著しく出ます。

そうなると骨折後のリハビリが非常に重要です。

 

骨折のリハビリ方法

骨折のリハビリ方法としては、まずは日常生活が出来るレベルにリハビリをする必要があります。

骨折の場合は全く動かせないような状態になりますので、骨折した部位は筋力も柔軟性も大幅に落ちます。

 

片手の骨折の場合は、左右で太さが全く別人のようになります。

まずは骨折した部位を少しずつ動かすことから始めます。

重りなどなくても動かすのが大変なくらい筋力も低下していますので、少ない回数、少ない負荷の運動から始めます。

 

その為、スポーツ選手の骨折から復帰するまでのリハビリでは過程がかなり長いです。

サッカー選手が足の骨折をした場合は、歩けないところから長距離を走ったり、短距離をフルスピードで走ったり、ボールを蹴ったりというレベルまで回復させる必要があります。

 

また、骨折した部位をかばうと他の怪我を招く恐れもあります。

基本的に隣接する関節に影響が出ることが多く、大腿部の骨折では腰痛を発症したり、腕の骨折では肘や肩を痛める場合があります。

 

そうならない為にもリハビリが重要です。

リハビリは専門家の指導のもと行いますので、基本的には理学療法士が担当します。

パーソナルトレーナーも、骨折後にパフォーマンスが上がらないなどのリハビリを担当することがあります。

 

骨折をしたスポーツ選手の例と骨折部位

骨折は部位を絞らなければ、スポーツ中には非常に多い怪我です。

ここでは、スポーツ選手の骨折の例をご紹介します。

 

柳田悠岐選手(野球) 第4指末節骨骨折の怪我で登録抹消

守備中にボールを捕球する際にボールが薬指に当たり骨折

 

陽岱鋼選手(野球) 肋骨骨折の怪我も強行出場

守備中にボールを捕球した際に、フェンスに肋骨をぶつけて肋骨骨折

 

三浦皇成騎手(競馬) 落馬で肋骨骨折や骨盤骨折などで全治不明の重症

 

長谷川穂積選手(ボクシング) 左手親指脱臼骨折も世界戦に挑み3階級制覇

スパーリング中に相手選手の頭にこぶしが当たり脱臼骨折

 

萩野公介選手(競泳) 自転車で転倒し右肘骨折

リオ五輪も骨折後の骨棘が残る中挑み、金・銀・銅の3つのメダルを獲得

 

この記事を書いた人
中谷圭太郎

東京の東中野・落合にあるピラティス&コンディショニングスタジオhc-life代表トレーナー。スタジオ経営、パーソナルトレーニングレッスンの傍ら、公式ブログを中心にトレーニングや健康に関する情報を発信中。

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