日本人の睡眠時間の推移

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今回は、日本人の睡眠時間の推移をご紹介します。

日本人の睡眠時間は、韓国と並び世界最低レベルの短さです。

これは日本人と韓国人だけが特殊な民族という訳ではなく、異常に睡眠時間が短くなっていると言えます。

それは、日本人の睡眠時間の推移を見れば明らかです。

 

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日本人はここ50年で睡眠時間が1時間短縮!

NHKの国民生活時間調査2005によると、日本人の平均睡眠時間は50年間で約1時間短縮しているとされています。

 

日本人の睡眠時間推移

 

 

1960年には8時間13分であった平均睡眠時間が、2005年では7時間22分と約1時間も短縮しています。

これが2005年ですが、2020年ではおそらく7時間22分よりも短くなっていると思います。

1960年から考えると、1時間以上の短縮となっているのではないでしょうか?

 

眠るのが遅い日本人

さらに、先程の右図が同じ調査の夜10時までの就寝率です。

1960年には70%近くの方が22時までに就寝していましたが、2005年では24%と大きく減少しています。

当然ですが、この就寝時間の遅さが睡眠時間の短縮に繋がっています。

 

さらに気になるのが、夜でも小さな子供がお母さんと一緒に歩いていたり、日付が変わる頃にベビーカーを引いている方を見かけることもあります。

諸々事情はあると思いますが、子供の成長の観点から考えると確実に悪影響を及ぼします。

では、なぜこんなにも夜型化・短眠化が進んだのでしょうか?

 

便利な世の中と夜型化・短眠化

睡眠のメカニズムを考えると、現代の日本は夜型化させるもので溢れかえっています。

人間が眠くなるメカニズムは、大きく分けて2つあります。

 

これはまた別でご紹介させて頂ければと思いますが、簡単に言うと

・暗くなったから眠る

・疲れたから眠る

 

この2つが、人間が眠るメカニズムです。

このうちの「暗くなったから眠る」の方を阻害するものが非常に多くなっています。

 

まず、24時間営業のお店が多く存在します。

代表的なものがコンビニですが、それ以外にもスーパーなども営業時間の長時間化が進んでいると思います。

 

私の住んでいるところも、駅から一番近いスーパーは夜中の1時半までの営業です。

その前に住んでいたところは24時間営業でした。

 

マクドナルドも24時間営業のところが多々ありますし、カラオケ・居酒屋など明け方の5時まで営業が多いと思います。

 

また、お店以外でも夜型化に影響しているものが、「インターネット」です。

いつでもどこでも情報を得られるようになり大変便利になった反面、夜でも情報がどんどん届くようになりました。

 

そして、世界中と繋がることで時差を考えるとなおさら夜が無くなっています。

仕事でも海外と取引となると時間がメチャクチャになります。

 

そして、そのインターネットを使うものも進化しています。

「パソコン」もそうですが、直近の5年くらいの睡眠時間に影響を与えていそうなものが「スマホ」です。

 

いつでも手元にあり、何でも出来てしまうスマホがあれば、昼も夜も関係なく使い続けられます。

ゲームが出来て、ネットが繋がって、そしてSNSも発達してLINEもFacebookも繋がり放題です。

 

そして、ただ夜に使えるだけでも問題なのに、さらに問題なのが「ブルーライト」です。

これが「暗くなったから眠くなる」機能に多大な影響を与えます。

 

つまり、様々な側面から「夜型」になりやすい環境が整っています。

ただ、「なぜ夜型になりやすいか?」が分かれば対策も取りようがあります。

 

日本人の4割が睡眠時間6時間未満!?厚生労働省の最新調査結果

厚生労働省の調査によると、日本人の4割が睡眠時間6時間未満と発表されました。

これは、厚生労働省が睡眠時間や健康状態に関するアンケート調査を行ったもので、昨年11月の調査です。

 

40歳代で睡眠の状況に課題
・1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合は、男女とも40歳代で最も高く、それぞれ48.5%、52.4%。(25頁:図35)
・睡眠で休養が十分にとれていない者の割合は20.2%であり、平成21年からの推移でみると有意に増加し、年齢階級別にみると40歳代で最も高く30.9%。(25頁:図36)

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177189_00001.html
平成29年「国民健康・栄養調査」の結果について紹介しています。

 

NHKのニュースや、櫻井翔さんや桐谷美玲さんが出演する日本テレビ「ニュースZERO」でも取り上げられました。

この調査結果によると、日本人全体の睡眠時間6時間未満が39.5%に上りました。

特に働く世代の睡眠時間の短さが顕著で、40代男性で49.0%、40代女性で52.8%が睡眠時間6時間未満となっています。

 

睡眠時間の調査は毎年行われているようですが、昨年よりも全体の睡眠時間6時間未満のパーセンテージは2.9%と悪化し、平成17年の調査開始以来最悪の数字となりました。

 

また、睡眠時間が短い理由の調査も行われています。

睡眠時間が短い理由の第1位は男性で「仕事」が37.7%、女性では「家事」が21%で1位、2位が「仕事」で19.7%でした。

厚生労働省は調査結果の分析で、長時間労働や共働きの増加があると指摘しています。

 

日本人の睡眠時間の短さは韓国と並んで世界ワーストクラス

日本人の睡眠時間の短さは今に始まったことではありません。

 

1960年~2005年にかけて約1時間短くなっています。

おそらく、2005~2015年の方がさらに悪化していると思われます。

 

睡眠時間が短くなる傾向は続いていますが、その要因は様々です。

24時間社会などの社会的背景、スマホやパソコンの普及などの環境的な背景などが考えられます。

 

ただ、睡眠時間が短くても大丈夫な感じがしている認識不足も非常に心配されます。

 

睡眠時間が短いことで起こる影響

睡眠時間が短くなることで様々な悪影響が身体に起こります。

最も危険なのは、その影響を自覚しにくいところです。

 

1時間睡眠時間がいつもより短いところで、日常生活で何らかの支障を感じることはないと思います。

ただそれが何年も続けば影響が出ます。

 

5時間睡眠を2週間続けると、チューハイを数杯飲んだのと同じレベルの脳の働きになると言われています。

チューハイを飲みながら仕事をしている人は少ないと思いますが、チューハイを飲みながら仕事をしているのと同じような状態の人は非常に多いということになります。

 

全体の4割がこの状態と考えれば、日本人の4割はお酒を飲みながら仕事をしているのと同じ状態です。

長時間労働が様々な形で表面化していますが、そもそもこの状態で仕事をしても仕事の効率が悪いのは一目瞭然です。

 

仕事が忙しいから睡眠時間が短い、睡眠時間が短いから仕事が忙しい負のスパイラル

先ほどの厚生労働省の調査結果に戻ると、睡眠時間が短い理由で「仕事」が大きな比率を占めていました。

ただ、睡眠不足は明らかに仕事の効率を下げます。

 

そして、睡眠不足の人同士の仕事は余計に効率が悪くトラブルも増えます。

そうなれば睡眠時間の短さが仕長時間労働を招き、長時間労働が睡眠時間の短さを招くという悪循環に陥ります。

 

休みの日の「寝だめ」は睡眠リズムを悪化させるので逆効果ですが、平日睡眠不足で土日に「寝だめ」という方は多いと思います。

そして時差ぼけ同然の状態で仕事に行き、効率の悪い中長時間労働が続くという負のスパイラルに陥ります。

これは日本全国どこでも起こっていることだと思いますが、これは国として危険なレベルだと思います。

日本の時間当たりの労働生産性は世界と比べて低いと言われています。

 

この時間当たりの労働生産性をどう捉えるかによりますが、日本人の労働生産性が低いとみることも出来ます。

個人的には、日本の労働生産性が高いとは言いにくいと思っています。

長時間労働が非常に多いですが、その原因の一つはやはり睡眠時間の短さがあると思います。

 

残業を規制してもなかなか根本的な解決にはならないと思いますので、ここは睡眠時間へのアプローチが必要だと思います。

 

この記事を書いた人
中谷圭太郎

東京の東中野・落合にあるピラティス&コンディショニングスタジオhc-life代表トレーナー。スタジオ経営、パーソナルトレーニングレッスンの傍ら、公式ブログを中心にトレーニングや健康に関する情報を発信中。

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