睡眠時間とスポーツの怪我の関係は?8時間未満で怪我が増える?

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睡眠に関する情報を解説しています。

こちらのページでは、睡眠時間とスポーツに関する情報を解説します。

 

睡眠時間とスポーツパフォーマンスの研究結果も色々ありますは、睡眠時間とスポーツでの怪我の発生頻度の研究をご紹介します。

 

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睡眠時間が8時間未満で怪我が増える?アメリカの研究結果で発表

睡眠時間と怪我の発生頻度は、何となく関係がありそうなイメージはあると思います。

ちゃんと寝れば怪我をしにくくなるし、睡眠時間が短ければ怪我のリスクは上がるはずです。

 

これを研究した結果が、アメリカであります。

Chronic lack of sleep is associated with increased sports injuries in adolescent athletes - PubMed
Level III.

 

この研究結果の論文によると、睡眠時間が8時間未満のアスリートでは65%が傷害を経験しているのに対して、睡眠時間が8時間以上のアスリートでは31%にまで傷害の発生が減少します。

 

もっとも、この研究では怪我の程度などは含まれていませんし、どのように怪我をしたかもわかりません。

例えば、野球でデッドボールを受けて怪我をしたり、サッカーで相手選手の悪質なタックルで怪我をしたなどの場合は本人の問題以外の原因の方が強そうです。

 

スポーツ中の怪我は大きくスポーツ外傷スポーツ障害に分けられます。

先ほどのデッドボールなどはスポーツ外傷に分類され、1回の強い負荷で起こる怪我です。

 

これに対してスポーツ障害は、度重なる負荷で起こる怪我です。

投げ過ぎて肘を痛めた、走り過ぎて疲労骨折したなどはスポーツ障害に分類されます。

 

スポーツをする以上は怪我の確率を0%にするのは不可能ですが、可能な限り最小限に留める努力が必要です。

 

スポーツ外傷も予防は出来ますが、仕方がないような怪我も多いです。

 

スポーツ障害の方が個人の努力で防げる範囲が広いと言えます。

睡眠時間が短い場合、このスポーツ障害が多くなるのではと個人的には考えています。

 

睡眠時間が8時間未満で怪我が増える理由

睡眠時間が8時間未満になると怪我が増える原因は、先ほどの研究結果では発表されていません。

ただ、推測は十分できます。

 

まず、睡眠時間が短くなると記憶力が悪くなると言われています。

記憶には大きく「手続き的記憶」と「宣言的記憶」に分けられます。

 

手続き的記憶とは、身体の動かし方などの記憶のことで、宣言的記憶とは文章や文字などの記憶です。

 

テストで覚えるのは宣言的記憶ですが、スポーツのフォームなどは手続き的記憶に分類されます。

睡眠時間が短いと、この手続き的記憶の習得が悪くなるという研究結果もあります。

 

つまり、フォームなどがばらつきやすいと言えるので、スポーツ障害などの怪我が増えやすい原因と成ります。

 

また、睡眠時間が短いと姿勢保持筋という筋肉の働きが悪くなるという研究結果もあります。

姿勢保持筋は文字通り姿勢を保つために働く筋肉です。

 

姿勢保持筋は常に働いていますが、唯一休めるのが睡眠中です。

つまり、姿勢保持筋の適切な休養が無くなれば当然働きも悪くなります。

 

姿勢保持筋の働きが悪ければ、その分関節や靱帯への負荷は増えますので、これもスポーツ障害の原因となります。

これらが、睡眠時間が短いと怪我のリスクが上がる原因として考えられます。

 

スポーツ選手は睡眠時間が長い?

このように、睡眠時間とスポーツでの怪我の相関関係があるならば、一流のスポーツ選手は睡眠時間が長いのでしょうか。

実際の睡眠時間は分かりませんので、噂レベルの話になります。

 

サッカー選手で歴代でも世界トップ中のトップであるリオネル・メッシ選手、クリスティアーノ・ロナウド選手は睡眠時間が長いと言われています。

 

リオネル・メッシ選手もクリスティアーノ・ロナウド選手も睡眠時間は10時間とも言われ、昼寝も積極的にとるようです。

 

睡眠時間はただ長ければいい訳ではなく、長すぎも寿命が縮むとの報告もあります。

ただ、スポーツで体力を消耗しているのでその分長くていいとも考えられます。

 

クリスティアーノ・ロナウド選手の睡眠時間もリオネル・メッシ選手の睡眠時間も8時間を確実に超えていそうです。

 

2選手とも30歳前後の年齢でも高いパフォーマンスを保っていますので、十分息の長い選手と言えます。

 

もちろん、睡眠時間が長ければ全く怪我をしないわけではありませんので、トップレベルでサッカーという激しいスポーツをして入れば怪我はします。

 

ただ、クリスティアーノ・ロナウド選手もリオネル・メッシ選手も怪我は比較的少ないと言えると思います。

その要因の一つに、睡眠時間も含まれていると言えそうです。

 

日本のスポーツ選手は睡眠時間が短い?

では日本のスポーツ選手はどうでしょうか。

40代でも活躍した現・ソフトバンクホークスの監督の工藤公康監督は、現役時代に10時間以上睡眠時間があったとコメントしていました。

工藤公康投手は、怪我が少なく非常に息の長い投手でした。

 

睡眠時間がしっかりしていれば息が長くなる可能性が考えられますが、中には睡眠時間が極端に短い選手もいます。

 

適正な睡眠時間は人によって異なると言われていますので、個人差は当然ありますが、極端に短い場合は注意が必要だと思います。

 

日本ハムファイターズの中田翔選手は、テレビ番組の「スマスマ」で「睡眠時間は3時間で試合に出れます。大丈夫です。」とコメントしていました。

 

また、フィギュアスケートの羽生結弦選手は練習の前日でも明け方4時までゲームをしているとトークショーでコメントしていました。

 

それでも、中田翔選手はパリーグ打点王で侍ジャパンの4番です。

羽生結弦選手は世界歴代最高得点も記録した、オリンピック金メダリストです。

 

そういった選手が睡眠時間はあまり気にしていないので、そこまで重要はないのでは?という意見も出てきそうです。

ただ、中田翔選手も羽生結弦選手も怪我をしています。

 

中田翔選手は腰痛で欠場し、侍ジャパンでも左手首の怪我をしたまま出場していたようです。

羽生結弦選手も左足リスフラン靱帯損傷の怪我で、2015-2016年シーズンは怪我を抱えたままの演技でした。

 

どちらもスポーツ障害に分類出来る怪我ですので、睡眠時間が短いことで発生のリスクが上がったと言えます。

 

もちろん、睡眠時間が長ければ確実に怪我をしなかったとは言えません。

それでも、怪我のリスクを最小限に留める為には適正な睡眠時間が必要だったと言えそうです。

 

トップアスリートでも睡眠時間が短い日本は、世界でもワーストレベルの睡眠時間の短さです。

睡眠時間の短さを国レベルで改善しないといけないと、改めて感じるニュースでした。

 

この記事を書いた人
中谷圭太郎

東京の東中野・落合にあるピラティス&コンディショニングスタジオhc-life代表トレーナー。スタジオ経営、パーソナルトレーニングレッスンの傍ら、公式ブログを中心にトレーニングや健康に関する情報を発信中。

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