ダルビッシュ有投手がトミー・ジョン手術から復帰を果たしましたが、トミー・ジョン手術からの復帰例としては異例とも言えるピッチングでした。
一方でトミー・ジョン手術から思うように復帰出来ない投手が多くいるのもまた事実です。
トミー・ジョン手術から復帰後に10試合以上登板できる確率が70%程度とも言われ、まだまだ確実に復帰出来るような手術ではありません。
そんなダルビッシュ有投手の復帰登板で再び注目されるようになったのが、ソフトバンクの松坂大輔投手です。
松坂大輔投手もトミー・ジョン手術を受けていますが、その後に思うような結果が残せていません。
2015年にソフトバンクに復帰後は未だ1軍登板ゼロと厳しい状況が続いています。
その為、松坂大輔投手のトミー・ジョン手術は失敗か?と言われることも多いようです。
個人的にはトミー・ジョン手術よりも、その後の肩の手術の方が影響が強いと思います。
松坂大輔投手のトミー・ジョン手術自体は失敗ではない?
トミー・ジョン手術の成功・失敗は定義が難しいと思います。
ただ投げられればOKでもありませんので、単純に登板数だけで指標とは言えないと思います。
もちろんトミー・ジョン手術後に投げられなかったり、再び肘の内側側副靭帯損傷でトミー・ジョン手術となれば失敗と言っていいと思います。
トミー・ジョン手術後に他の部位を怪我する場合もありますが、これがトミー・ジョン手術の影響か?
それとも全く別の理由が強い怪我なのか?
トミー・ジョン手術以前から元々抱えていた怪我なのか?
これらを踏まえると、トミー・ジョン手術そのものの成功・失敗を検証するのが無理だと思います。
松坂大輔投手がトミー・ジョン手術を受けたのは2011年6月。
その後2012年6月にメジャー復帰登板を果たしています。
2011年6月10日にトミー・ジョン手術で、2012年6月9日にメジャー復帰登板ですので、ちょうど1年での復帰です。
この期間はトミー・ジョン手術後の復帰としてはかなり短いです。
トミー・ジョン手術からの復帰は約1年半が目安となっていますので、かなり短い期間でトミー・ジョン手術から復帰していると言えます。
しかし、早い復帰期間が影響したのかその後7月に右僧帽筋を痛め再度故障者リスト入り。
その後約1か月で復帰しますが、本調子とはいかず、防御率8.29で10試合以上先発した投手で球団史上最悪の防御率でした。
ただトミー・ジョン手術後の復帰1年目は本来こんなものです。
ダルビッシュ有投手の復帰登板が本来のトミー・ジョン手術の常識から外れています。
トミー・ジョン手術2年目以降の松坂大輔投手の成績
2013年はニューヨークメッツに移籍しますが、メジャーでは7試合登板に終わります。
2014年はリリーフ転向で34試合に登板しています(先発9試合)。
先発は防御率4.24、リリーフは防御率3.44と本来の投球とは呼べない結果となっています。
つまり、トミー・ジョン手術後松坂大輔投手本来の投球は見せられていないと言えます。
ただ、10試合以上はしっかり登板できているのでトミー・ジョン手術成功と言えば成功ですが、本来の投球が出来てないと考えればトミー・ジョン手術は失敗と言えるかもしれません。
その後ソフトバンクへ移籍後はご存知の通り1軍での登板はありません。
ソフトバンク移籍後に登板できていない理由は、トミー・ジョン手術の肘ではなく右肩の怪我の影響です。
松坂大輔投手の右肩の怪我の状態は?手術の影響は?
松坂大輔投手の右肩の怪我の手術は「関節唇および腱板クリーニング術」「ベネット骨棘切除術」「後方関節包解離術」と言われています。
かなり難しい怪我ですが、右肩の何か1つを痛めた訳ではなく右肩の軟部組織を色々痛めている状態です。
特に肩関節唇損傷は大きな怪我で、肩へのストレスがかなり強かったことを物語っています。
クリーニング手術とは、その肩の組織の破片などを除去する手術ですので、それだけ負担がかかっていたと言えます。
トミー・ジョン手術後のパワーピッチャーの成績は?松坂大輔投手も続けるか?
トミー・ジョン手術後に球速が上がるというケースも報告されています。
トミー・ジョン手術の解説はこちら
レッドソックスで松坂大輔投手とチームメイトだった田澤純一投手は、トミー・ジョン手術後に球速が上がった良い例です。
ダルビッシュ有投手もトミー・ジョン手術後に球速が上がりそうな気配です。
田澤純一投手やダルビッシュ有投手は、トミー・ジョン手術後も活躍できるパワーピッチャーの例と言えそうです。
ダルビッシュ有投手はまだ1試合しか投げていませんので、今後どうなるかわかりませんし、パワーピッチャーと言っていいか分かりませんが。
松坂大輔投手とチームメイトのソフトバンク五十嵐亮太投手も、トミー・ジョン手術から上手く復帰できた投手と言えそうです。
五十嵐亮太投手は完全なパワーピッチャーでしたが、今はナックルカーブを駆使するなどマイナーチェンジが加わっているようにも感じます。
同じく完全なパワーピッチャーである藤川球児投手は、苦戦が続いています。
時折全盛期を彷彿させる場面もありますが、やはりトータルで見るとまだ火の玉ストレートと言われた時の力は発揮できていないように感じます。
そう考えると、松坂大輔投手もある程度マイナーチェンジが求められるかもしれません。
新たな変化球や投球スタイルの変化など、あまりイメージ出来ませんがそのような変化が求められるかもしれません。
今現在は2軍で登板できていますので、今後1軍復帰の可能性もあると思います。
あの平成の怪物と呼ばれた松坂大輔投手のイメージが残っているファンからすると現状は物足りないと思いますが、1軍復帰登板を期待したいと思います!
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