前回ご紹介しました、joint by joint theory(ジョイントバイジョイントセオリー)と合わせて使いたい、モビリティファーストの考え方をご紹介致します。
モビリティファースト、スタビリティファースト、ポジションファーストなど人によって考え方はは変わってきます。
1つの引き出しとして、モビリティファーストとは何ぞやを理解しておくと便利だと思います。
joint by joint theory(ジョイントバイジョイントセオリー)を元にどこからアプローチするか?
joint by joint theory(ジョイントバイジョイントセオリー)では、どの関節がスタビリティ関節で、どの関節がモビリティ関節かが明確になりました。
ところが、実際の現場では問題が1箇所だけに起こると言うケースはなかなか見られません。
股関節のモビリティも胸椎のモビリティも十分あるが、腰椎のスタビリティが不十分というケースであれば、腰椎のスタビリティのトレーニングをすればいいと思います。
ところが、腰椎のスタビリティも低下しているし、胸椎のモビリティも低下しているし、股関節のモビリティも低下しているし…
という形で、実際どこから手を付けていいのか分からない、というケースの方が多いと思います。
そんな時に必要なのが、モビリティファーストの考え方です。
モビリティファーストは、そのままですがモビリティを出すことを優先する考え方です。
先ほどの例ですと、腰椎のスタビリティを先に出すのではなく、胸椎のモビリティや股関節のモビリティから先に出すという考え方です。
これは、理屈よりも体感した方が早いと思います。
モビリティファーストを体感
まず、両手でバンザイ動作をします。
この時、腰が反ってしまった場合にモビリティファーストなら先に胸椎のモビリティを出し、スタビリティファーストなら先に腰椎のスタビリティを出します。
では、スタビリティファーストで改善してみましょう。
お腹をガッチリ固め、そのままバンザイをすると…
たぶんあまり手が上がらなくなると思います。
逆に、胸椎のモビリティドリルなどをしっかり行ってから何も意識せずにバンザイ動作をすると、腰の反りは減ると思います。
腰が反るのを力で止めようとするのは、代償動作を力で止めているのでどうしても無理な動きになります。
最終的に、身体の動きは無意識で行えないといけません。
ピッチャーが投球動作の際に、毎回腰が反らないようにお腹に力を意識して入れて投げるのは現実的ではありません。
モビリティファーストはあくまでアプローチ方法の一つ
そのような形で、モビリティファーストでアプローチをしていくと、前回の
joint by joint theory(ジョイントバイジョイントセオリー)の考え方を活かしたアプローチが出来るようになります。
必ずしも何が正解というものが無いのが、人間の身体だと思いますが、一つの考え方として、持っておくと便利な考え方だと思います!
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