ジョイントセントレーション(joint Centration)について解説していきます。
これは、DNS(Dynamic Nuromuscular Stabilization)で使われる考え方で、私もこのDNSのセミナーで初めて知った概念です。
こちらのDNSの内容を元に、ジョイントセントレーションについて解説していきます。
ジョイントセントレーション(joint Centration)の意味とは?
ジョイントセントレーションを日本語にそのまま訳すと、「関節中心化」といった感じになります。
これだとよくわかりませんので、DNSエクササイズコースのテキストの内容を参照してみます。
・セントレーションされた関節は、骨の接触面が最大になっている。これにより最適な荷重が関節面及び運動鎖に沿って起こる。
・関節の適合性が最大
DNSエクササイズコースパート2 テキスト参照
難しく書いてありますが、「関節の接地面が最大の状態」という表現が一番分かりやすいと思います。
もっとざっくりいえば「いい姿勢」「ニュートラルポジション」「関節求心位」といった感じに近いです。
あくまで同じではなく、「近い」という表現が適切だと思います。
例えば肩関節であれば、上腕骨骨頭と肩関節窩の接地面が最大となったまま、肩関節がスムーズに動く状態を「ジョイントセントレーション出来ている」と言えます。
逆に肩関節がジョイントセントレーション出来ていない状態が、上腕骨骨頭が前突した状態で動いたり、肩甲骨が翼状肩甲していたり、過度なシュラッグが入ったりしている状態です。
つまり、ニュートラルポジションの動作版といったイメージでしょうか。
常に関節の接地面が最大のまま動くこと=ジョイントセントレーションですので、これは静的(止まった姿勢)の話ではなく、動的な話です。
ファンクショナル・ジョイント・セントレーション(機能的な関節セントレーション)とは?
単に「ジョイントセントレーション」と言わずに、ファンクショナルジョイントセントレーション(Functional joint Centration)という場合もあります。
これは、静的な話ではなく動的な話であることからも分かります。
ジョイントセントレーションとは、正しい位置に関節を置くのではなく、正しい位置を保ちながら動くという意味ですので、=ファンクショナルな動きとも言えます。
そう考えると、ファンクショナルジョイントセントレーションという表現が適切かもしれません。
上述のDNSエクササイズコースパート2のテキストでも、
「機能的な関節セントレーションとは、動作中全ての段階におけるバランスのとれた筋の協調運動により行われる」
とあります。
つまり、動作中常に関節接地面が最大のまま動き続ける=機能的な動きということが出来ます。
ファンクショナルジョイントセントレーションがもたらす効果
ファンクショナルジョイントセントレーションが保たれる効果として、次の効果が挙げられます。
・最大筋収縮が可能
正しい位置に関節があれば、筋の長さ-張力関係(レングステンションリレーションシップ)から考え、筋が適切に伸び縮み出来るようになります。
つまり、最大筋収縮が可能になりますので、強い力の発揮が可能となります。
・関節組織の保護
関節が正しい位置にあるので、軟部組織への過度なストレスがありません。
脊柱で言えば椎間板へのストレスや、その他の関節であれば靭帯、関節包などへのストレスが減り、障害のリスクを減らすことが出来ます。
・適切な運動連鎖
下半身から上半身への力の伝達、細かく言えば足部から膝関節・股関節など力の伝達がスムーズに行きますので、結果的に力の発揮や障害のリスク軽減に繋がります。
ファンクショナルジョイントセントレーションにおいて特に重要な2つの関節
これは私個人の考え方ですが、ファンクショナルジョイントセントレーションを考える上で、最も重要な2つの関節があります。
1つは股関節、もう1つは肩関節。
つまり、球関節です。
球関節ですので、3面3軸の動きがあります。
関節の可動域も広く、同時に運動連鎖で考えても肩関節は上肢、股関節は下肢の動きに大きく影響します。
また、肩関節も股関節もともに体幹を構成していると言えば構成していますので、体幹の安定、体幹と四肢の分離など様々な観点で考えて、この肩関節と股関節のファンクショナルジョイントセントレーションは重要と言えます。
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