捻挫とは?種類・症状・応急処置・痛み・全治・リハビリなどを解説

捻挫とは?種類・症状・応急処置・痛み・全治・リハビリなどを解説 怪我のリハビリ

こちらのページでは「捻挫」についてご紹介します。

 

「捻挫」と言うと足首の捻挫が一般的ですが、捻挫は足首だけでなくどの関節でも起こります。

また、捻挫というと軽症の怪我のイメージがあると思いますが、捻挫の種類によっては手術が必要な場合があったり、再発を繰り返したりする場合もあります。

 

その為、捻挫には適切な応急処置やリハビリが必須と言えます。

ここでは、捻挫の種類や症状、応急処置方法やリハビリ方法などをご紹介します。

 

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捻挫とは?

捻挫とは?種類・症状・応急処置・痛み・全治・リハビリなどを解説

捻挫とは、関節に過度な負荷がかかり、関節の許容範囲を超える動きが起こり損傷する怪我のことです。

捻挫は、レントゲン検査で異常の見られない怪我全般を指しますので、関節の怪我で骨折や脱臼以外は「捻挫」と分類されます。

 

捻挫は「ねんざ」とひらがな表記のことも多いですが、特に漢字とひらがなどちらが正式と言うこともないようです。

捻挫の具体的な状態としては、関節にある靱帯や腱・軟骨などの損傷が伴います。

代表的な捻挫が足首の捻挫である「足関節内反捻挫」です。

 

足首の捻挫では足首を過度に捻ってしまった結果、足首の靱帯である前距腓靭帯が損傷してしまうことが多いと言えます。

足首の捻挫も軽症であれば3日ほどで治りますが、重症であれば3か月以上かかり手術の適応となる場合もあります。

 

捻挫の病態については、日本整形外科学会ホームページでこのように解説されています。

 

捻挫とは、関節にかかる外力により非生理的運動が生じ、関節を支持している靭帯や関節包が損傷することです。足関節では前距腓靱帯が損傷されることが最も多い病態です。

日本整形外科学会ホームページより一部抜粋

「足関節捻挫」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる

 

捻挫の種類

捻挫の種類は、捻挫の部位や重症度によって分類されます。

捻挫はどの関節でも起こる怪我ですが、捻挫の起こりやすい部位としては「足首」「膝」「肘」「手首」「首(頸椎)」などです。

部位で分類すると、捻挫の種類は次のようになります。

 

足首捻挫

足関節内反捻挫、足関節外反捻挫がありますが、ほとんどの場合は足関節内反捻挫です。

 

膝関節捻挫

膝関節捻挫は、あまり膝関節捻挫と言う表現は使われず「○○靱帯損傷」と言うことが多いです。

膝関節捻挫の種類としては、膝前十字靭帯断裂、膝内側側副靭帯損傷、膝半月板損傷などがあり、これらすべては「膝関節捻挫」と表現できます。

 

肘関節捻挫

子供が転倒した時などに多い捻挫です。

転倒して手を付いたときに、肘の靱帯が耐えきれずに損傷します。

 

・腰椎捻挫(ぎっくり腰)

腰の背骨である腰椎の捻挫もよく起こりますが、これはいわゆるぎっくり腰です。

ぎっくり腰はレントゲンでも異常は見られませんが、腰椎の靱帯などを損傷していることが多いと言われています。

 

・頸椎捻挫

いわゆるむち打ちの症状です。

交通事故などで起こりやすいですが、スポーツ中にも接触プレーなどで起こるのでサッカーやラグビーなどで起こりやすい捻挫です。

 

捻挫の症状

捻挫の症状としては、痛み・腫れ・熱感などが起こります。

また、内出血で変色して紫色になることも多いです。

腫れも強く出ることが多く、足首の捻挫では靴が履けなくなるくらい腫れあがることが多いです。

ただ症状は重症度によっても異なります。

 

軽症の場合は痛みがそこまでひどくなく、腫れもすぐに引くことが多いです。

重症の場合は腫れも痛みもひどく、なかなか腫れが引かないことも多いです。

 

捻挫の全治(完治までの期間)

捻挫の全治も重症度によって異なります。

また症状によっても異なりますので、全治は目安でしかありません。

 

ここでは捻挫の重症度別の全治の目安をご紹介しますが、この通りにならないことも多いです。

捻挫の重症度は3段階で分けられることが多く、軽症からⅠ度損傷、Ⅱ度損傷、Ⅲ度損傷と分類されます。

 

Ⅰ度損傷(軽症)の捻挫の全治は、数日から2週間程度です。

場合によっては、テーピングでしっかり固定すれば捻挫の翌日に強行出場ということもあり得ます。

もちろん、捻挫を完治させるという観点で言えばあまりお勧めは出来ませんが、試合の重要度や本人の意思によっては強行出場可能な範囲の捻挫であることが多いです。

 

Ⅱ度損傷(中程度)の捻挫の全治は、2週間~1か月程度の場合が多いです。

Ⅱ度損傷までなると、すぐに動くのは難しいのでしばらく復帰までは時間がかかります。

安静にする期間が長くなるため、筋力低下や柔軟性の低下も起こりやすいと言えます。

その為、リハビリが重要になると言えます。

 

Ⅲ度損傷(重症)の捻挫は、完治まで1か月~3か月程度かかる場合が多いです。

Ⅲ度損傷の捻挫は靱帯が完全に断裂していることもあり、その場合は手術を行うこともあります。

また、脱臼や骨折を伴っていることもありますので別の怪我も複合して起こっている場合はさらに完治までの期間が長くなります。

Ⅲ度損傷までなると、復帰までの期間が非常に長くなりますので、Ⅱ度損傷以上にリハビリが重要になります。

 

捻挫の応急処置方法

捻挫の応急処置方法としては、RICE処置が一般的です。

RICE処置とは、応急処置方法の頭文字をとったものです。

R(安静)、I(冷却)、C(圧迫)、E(挙上)の頭文字です。

 

安静は捻挫をした関節を動かさずに安静にします。

冷却は、いわゆるアイシングです。

アイスバッグなどで患部をアイシングします。

圧迫は、患部の炎症が広がらないようにバンテージやテーピングで圧迫します。

挙上は、患部を心臓より高い位置に挙げます。

これらは同時に行いますので、足首の捻挫では仰向けで寝ながらアイシングを圧迫しながら行い、心臓より高い位置になるように挙げておきます。

 

最近では、あまり安静にせずに動かした方がよいという意見もありますが、あくまで一般的な応急処置方法としてはこのRICE処置が未だ一般的と言えます。

 

捻挫のリハビリ方法

捻挫後に重要になるのがリハビリです。

「捻挫は癖になる」と言われることも多いですが、これには理由が2つあります。

1つは捻挫によって靱帯が損傷していることです。

基本的には切れた靱帯は切れたままと言われています。

靱帯は、関節が過度に動かないようにブレーキをかけてくれる組織ですが、この靱帯の働きが弱くなれば再び捻挫をする確率は上がります。

 

もう1つは、そもそも捻挫をしやすい動きの癖や筋肉のバランスの崩れがあります。

捻挫はたまたま起こるというよりは、捻挫が起こりやすい動きの癖があり、それを繰り返した結果捻挫をするということが多いです。

つまりこの動きの癖が変わらなければ、捻挫の痛みや腫れが治ったところでまた捻挫をします。

そして先ほどの靱帯の損傷などがあればより捻挫をしやすくなります。

これが「捻挫は癖になる」と言われる所以です。

 

癖という表現が適切かは分かりませんが、再発率が高いとはいえます。

この捻挫の再発を予防するために必要なのがリハビリです。

捻挫のリハビリでは、まずは安静にしていた時に低下した筋力や柔軟性を取り戻します。

最初は小さな動き、弱い負荷から初めて徐々に日常生活動作、競技動作へと発展させます。

ある程度日常生活動作が可能になって来たら、捻挫になりやすい動きの癖を改善します。

 

例えば、足首の捻挫の場合は重心が外側に偏り過ぎて足首を内に捻って起こります。

これは足首だけの問題ではなく、股関節などの筋力の問題が関係します。

基本的に足首を捻挫するのは、片足で着地したときや片足に強く重心が乗った時です。

その為、片足でしっかり支える股関節周りの筋力が必要ですが、この股関節周りの筋力に偏りがあったり、上手く機能していない筋肉があると足首の捻挫をしやすいと言えます。

ただ、これには個人差が大きくどこが原因かをしっかり見極めてからリハビリをする必要があります。

その為、捻挫のリハビリは身体の専門家であるパーソナルトレーナーや理学療法士に依頼することがお勧めです。

 

捻挫をしたスポーツ選手の例

捻挫はどんなスポーツでも起こりやすく、また捻挫の起こる部位や種類によっても異なります。

ここでは捻挫の怪我をしたと報道されたスポーツ選手の例を一部ご紹介します。

 

柿谷曜一朗選手(サッカー) 右足関節内反捻挫(足首の捻挫)で手術

マーティン投手(野球) 左足関節内反捻挫(足首捻挫)で全治4週間

内村航平選手(体操) 腰椎捻挫(ぎっくり腰)もリオ五輪強行出場

遠藤航選手(サッカー) 左肘関節捻挫で親善試合欠場

 

この記事を書いた人
中谷圭太郎

東京の東中野・落合にあるピラティス&コンディショニングスタジオhc-life代表トレーナー。スタジオ経営、パーソナルトレーニングレッスンの傍ら、公式ブログを中心にトレーニングや健康に関する情報を発信中。

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